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コロナ収束後、攻勢に転じるために-海外地上手配のトランスオービット代表取締役 廣瀬功和氏

-海外需要が蒸発している状況で新たに始められた事業についてお聞かせください
トランスオービットのP2マスク販売サイト

廣瀬 オーストラリア法人の取引先でマスクを製造している会社があり、こちらからのオファーでマスクの輸入販売を始めました。「P2」という規格で、アメリカの「N95」という高性能マスクと同等のスペックを備えています。完全に異業種での取り組みですが、オーストラリアでは医療機関でも使用されているマスクですので、日本での認知を向上し、マスク不足の解消に少しでも貢献できればと考えています。

 本業のランドオペレーター業では、航空券の卸売業者と協業し、航空券と現地の旅行商材をセットにした「ツアーODM」事業を進めています。(編集部注:ODMはOriginal Design Manufacturerの略で、製造業における受託生産の1業態。OEMが製造だけ行うのに対し、ODMは企画・仕様・設計・開発・製造まで行う業態を指す)

 現段階では来下期のパッケージツアーはほとんど売り出されていませんが、例えばクルーズの予約状況を見ても、コロナが収束しさえすれば安心できるガイド付きのツアーに参加したいという方は一定数いると考えています。しかしコロナ収束直後の需要は限定的と思われるため、1社での企画造成にはリスクが伴うでしょう。1種の旅行会社にはユニット、そのほかの旅行会社には委託販売の形で商品を提供することで、先物の販売に役立ててほしいという狙いです。

 ツアーの素材には環境への配慮に積極的な航空会社やホテルを選び、売上の一部を現地の自然環境維持や伝統工芸の継承に寄与する団体へ寄付するスキームを作ることで、「環境に配慮した旅行」として売り出せる商品を構想しています。

-P2マスクは医療従事者も使用しているとのことですが、日本での展開はどのようにお考えでしょうか

廣瀬 観光産業に向けては、旅行会社やバス会社で、ツアーに参加されるお客様や添乗員の方へのギブアウェイとして活用していただくことを考えています。

 昨年12月、バスツアーで発生したコロナ感染に関する国立感染症研究所の報告において、バス車内で空気の流れに沿って感染者が確認され、「マイクロ飛沫」によって感染が広がった可能性が指摘されました。ギブアウェイとして高機能マスクを付けることで、一歩進んだ感染防止策を講じたツアーとして販売していただけるのではないでしょうか。また海外旅行が再開された際には団体ツアーにも取り入れ、需要喚起に役立てていただきたいと思っています。

 P2マスクは日本ではまだ知名度がなく、当社でしか販売を行っていませんが、世界各国において緊急使用が認められた付加価値の高い商品です。販売代理店も募集していますので、お持ちのルートを利用して販売されたいという方は、当社のウェブサイトをご参照ください。

 購入や販売代理店をご検討いただいている方には無料サンプルもご提供しています。他社との差別化に、また安定的な売上の一助となることを願っています。

-ありがとうございました