【地方観光地に聞く】旅行会社と手を取り合いたい-五島市役所東京事務所所長 磯沖淳一氏 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、国内外問わず伸び悩む観光産業。しかし、こんな時だからこそ旅行会社と手を取り合って協力したいと話す観光地がある。今回は、2018年の世界遺産登録で観光客数が伸びてきていたところに、新型コロナウイルス感染症で大打撃をくらった長崎県五島市の市役所東京事務所所長である磯沖淳一氏に、現在の五島市の状況と旅行会社との連携に関して話を伺った。

-まずは、観光地としての五島列島と新型コロナウイルスの影響を教えてください

磯沖淳一氏(以下敬称略) 五島列島は長崎県の西部にある、150以上の島々からなる列島です。2018年に世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である「久賀島の集落」と「奈留島の江上集落」をはじめとした、教会郡などの歴史的、文化的な観光スポットや、日本一美しいとも言われる高浜海水浴場、豊かな漁場から穫れた新鮮な魚介類に五島列島内で肥育されている五島牛など、多様な観光資源に恵まれています。
 もともと、国内からいらしてくれる方に比べると、インバウンドで来られる方は全体の1%程度と多くなかったため、海外のお客様が来られないことによる影響はそこまで大きくはありません。ただ、それでも今年の上半期は前年と比べると4割ほどの観光客数となってしまいました。緊急事態宣言が宣言された4月頃は、島には高齢者が多いことに加え、医療体制が本土と比べると万全ではないということもあり観光客の方の受け入れに消極的だった影響もあると思います。
 ここ2年は大きく観光客数が伸びていたところで、新型コロナウイルスは大きなブレーキとなりました。ただ、幸いにもホテルや旅館、その他の観光施設などの廃業は聞こえてきていません。コロナ前と比べても、観光地としての魅力は変わっていないと思います。

五島列島の高浜海水浴場
-今後の五島市としての見通しをお聞かせください

磯沖 今はGoToキャンペーンのおかげもあり、年内の予約はかなり入って来ました。秋頃は主要なホテルなどは部屋が取りにくい程です。東京都からの旅行もGoToキャンペーンの適用となれば、ますます伸びるのではと期待しています。
 昨年の年間観光客数がおよそ25万人だったのですが、今年もできれば年間観光客数14万人程度は目指したいと考えています。簡単な目標ではありませんが、影響が大きいであろう上半期が前年比4割であったことを考えると、決して不可能な目標ではないと考えています。ただ、懸念していることもあります。冬場、寒くなってきた時に新型コロナウイルスがどうなっていくのか。冬場にまた大きく流行することがあると、かなり厳しくなってきます。そんな中で観光客数を伸ばしていくには、旅行会社の皆様にご協力いただくのが重要だと考えています。