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デルタ、羽田移転は「正しい選択」-LATAM提携で米大陸を網羅へ

  • 2019年10月2日

DLのスティーブ・シアー氏 デルタ航空(DL)は10月2日、国際事業部門社長兼グローバルセールス執行副社長を務めるスティーブ・シアー氏の来日に合わせて記者説明会を開催し、シアー氏が羽田路線への意欲などを語った。

 シアー氏は、日本について「70年にわたってサービスを提供してきた重要な市場」であるとしたうえで、米国との間の輸送量を国別に比較すると、日本は2位の韓国よりも50%ほど多いと説明。そして、来年夏ダイヤからの羽田への機能移転については、「羽田を発着する米系航空会社で最大の規模となる」と強調するとともに、東名阪の3空港から米国へ直行便を運航する唯一の航空会社として日米両国の需要を取り込んでいくと意欲を語った。

 成田については、自身の日本駐在経験も振り返りつつ「長年の歴史があり、去るのは正直なところ複雑な気持ち」であるとしたが、一方では羽田の利便性の大きさにも触れ「最終的にはお客様の声に従って選択をした。正しい決断だったと思っている」と語った。成田ではオペレーションセンターやコールセンター、そしてメンテナンス、貨物関連の機能は存続するが、路線はすべて撤退する。

 また、DLは先月末にLATAM航空(LA)との戦略的提携を発表しているが、これについては「LATAMはラテンアメリカで最大の航空会社として揺るぎない地位を構築しているが、DLとは相互補完的な路線網で、手を組むことにより米大陸を代表する航空サービスを提供できるようになる」と意義を説明した。

 この提携は、関係当局の認可が前提ながらDLが19億米ドルでLA株式の20%を取得し、さらに提携関係を具体化に3.5億米ドルを投じようとするもの。合意内容には、LAがワンワールドから脱退することや、DLがLAのA350型機4機を買い取り、さらにLAに代わって2020年以降に10機の同型機を購入することなどを含む。

 LAはもともとワンワールドに加盟し、アメリカン航空(AA)との共同事業をめざしていたものの実現が難航していており、今回の提携でDLがこれらをひっくり返したかたち。

 なお、LAはスカイチームには加盟せず独立して運営していくという。こうした動きに対して、DLもスカイチームを抜けて別のグローバルネットワークを構築するのではないかと推測する声もあるが、シアー氏は「スカイチームは20年目の節目を迎えたばかりで、DLもメンバーとしてその志を強固にきざんでいる」と可能性を否定。加盟各社と共同でテクノロジーを活用することなどにより、「今後大きな価値を提供できるのではないか」と期待した。