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中南米専門のウニベルツールが廃業、1971年創業の老舗

  • 2019年7月21日

 ブラジルなど中南米を専門としていた、日本旅行業協会(JATA)および日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)正会員のウニベルツールが、7月19日をもって廃業した。本誌の取材に応えた同社代表によれば、2014年のサッカーワールドカップや16年のリオ五輪後のブラジル国内の政治経済の不安定化を受けた治安悪化による、業務・レジャーの両方における日本人訪問者の減少、収入の柱の1つであったビザ申請手数料を6月の制度改正によるビザ免除により失ったことなどが大きいという。

 東京商工リサーチ(TSR)などによれば、同社は事後処理を弁護士に一任し、来週にも破産申立を行う見通しで、負債額については精査中。なお、新規の受注は6月30日をもって停止しており、一般の顧客についてはすでに同業他社への振り替えを済ませていることから「被害はない」と説明している。JATAにも19日14時の時点で問い合わせの電話などは入っておらず、OTOAも「会費の納入などは滞っていなかった」とコメントしている。

 同社は1971年に設立し、ブラジルの日系1世の里帰り団体の受け入れなどから事業を開始。その後、82年に運輸大臣登録を取得し、2010年には東京都知事登録第3種に変更した。サンパウロなどに海外支店を設け、中南米各国のランドオペレーターと提携するなど広範なネットワークを築き、TSRによればワールドカップが開催された2015年4月期には、売上高約20億円を計上していたという。

※訂正案内(編集部 2019年7月21日17時20分)
訂正箇所:第1段落第2文
誤:不安定化を受けた → 正:不安定化を受けた治安悪化による

訂正箇所:第3段落第2文
誤:82年には東京都の第3種旅行業登録を取得 → 正:82年に運輸大臣登録を取得し、2010年には東京都知事登録第3種に変更

お詫びして訂正いたします