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ANAセールス宮川社長、「ANA経済圏」拡大に意欲、A380のハワイに注力

海外旅行はリピーター化推進
ハワイは「オールチャネル」で販売強化

-A380型機が就航するハワイの販売戦略についてお聞かせください

宮川 ハワイも大きな柱のひとつになる。これまでは個人向けのパッケージツアーが中心だったが、加えて富裕層、団体の取り込みをはかるとともに、旅行会社向けのユニット販売を実施するなどオールチャネルで取り組む。ANAセールスとしては、20年に年間10万席の販売を目標に掲げている。10万席売ればハワイで旅行会社として業界3位になれる。そこをめざしたい。

 現在、NHのホノルル線は搭乗率が約90%と好調に推移している。全520席のA380型機を飛ばすことで供給は増えるが、供給が需要を刺激し、市場が拡大する効果も期待できる。ホノルル線についてはこれまで提供座席が十分でなかったため、ANAマイレージクラブ会員からは「貯めたマイルをハワイ旅行で使えない」という不満の声を多くいただいていた。我々としては、A380型機の導入を機にハワイでマイルを消化していただきたいと考えている。

 団体については、社員旅行やMICEなど法人需要の開拓に注力していく。自社に加え、他の旅行会社とも協力して企業にアプローチしていきたい。また、ビジネスとレジャーを組み合わせたブレジャー需要の開拓も必要だと考えている。

 座席の供給が増えるなか、オアフ島以外への送客も外せないだろう。特に富裕層の取り込みにはマウイ島やハワイ島などの開拓も必要になってくると思う。ハワイアン航空(HA)とのマイレージやコードシェアなどの提携は終了したが、インターラインでの関係はまだある。今後、ホノルルからの接続について、さまざまな選択肢を考えていきたい。

 ハワイを売るためには、旅行会社経由の航空券販売も欠かせない。特に閑散期は旅行会社とともに需要を喚起していきたいと考えており、そのためのインセンティブも検討している。ハワイだけでなく全体として言えることたが、ビジネス需要の多い朝夕の便とそれ以外の昼間の便は、条件を変えてメリハリをつけて売っていくことが必要だと思う。

-ハワイでは旅行素材の単品販売も実施しています

宮川 これまでウェブサイト上で主に国内旅行を対象に「@ホテル」「@レンタカー」を販売しており、海外ではグループ会社のANA Xがホテルやレンタカーなどを取り扱ってきた。今回、A380型機就航を機に、ハワイのホテルやレンタカー、オプショナルツアーなどをマイルで購入できるようにした。航空券を買うお客様は、当然その先の宿泊やレンタカー、現地のアクティビティなどが必要になるが、これまでこういったニーズを取り逃がしていた。

 海外に限らず、旅行事業全体で注力していることは、パッケージツアーを売るだけでなく、ANA経済圏をどのように広げていくかだ。航空券を買うお客様が増えるということは、その入り口に入るお客様が増えているということ。それを航空券だけで返すのではなく、ANA経済圏のなかにはもっと魅力的な商品があることをアピールしていく必要がある。

 ANAグループの強みは、グループ内のいろいろなプレイヤーの力を使えるところにある。たとえば、新規事業を開拓しているデジタル・デザイン・ラボ(DD-Lab)と共同で新しいサービスも開発している。内外の横のつながりでチャンスはさらに広がるだろう。

 ANAグループとしてめざしているのは、グループ各社の旅に関わるタッチポイントや商品、サービスを一体化させた「旅のプラットフォーム」を構築していくこと。中期経営計画の期間内に結実させたいと思っている。