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JATA、てるみ問題で2回の弁済制度勉強会、結論は「早急に」

  • 2017年5月11日

越智氏  日本旅行業協会(JATA)は5月11日の定例記者会見で、4月6日の会見で設立を発表していた「弁済制度勉強会」について、4月11日と18日に会合を開催したことを報告した。経営破綻したてるみくらぶの利用者への返金が極めて少額にとどまる問題を受けたもので、再発防止に向けた消費者保護の強化策について検討する。今後は観光庁が4月28日に初会合を開催した「経営ガバナンスワーキンググループ」とも連携しながら検討を進める予定で、事務局長の越智良典氏はできるだけ早急に結論を出す考えを明らかにした。

 勉強会の座長には、JATA理事で法制委員会の委員長を務める風の旅行社代表取締役社長の原優二氏が就任。そのほか、弁済業務委員長でエヌオーイー代表取締役社長の影山克明氏や、旅行業経営委員長で沖縄ツーリスト代表取締役会長の東良和氏などが委員を務めている。

 越智氏は、これまでにJATAの弁済業務保証制度を利用したケースのうち8割が100%を弁済できており、てるみくらぶのケースは非常に珍しいことを改めて強調。検討の方向性については「一部で報じられている決算の粉飾疑惑などの実態が明らかにならないことには、対策が取りにくい」と述べた上で、「制度そのものを変えるのではなく、貸切バス問題などのように通報窓口を設置することや、ボンド保証制度を活用することなどについて検討していきたい」との考えを示した。

 そのほか、弁済保証のスケジュールについては、現在はてるみくらぶの利用者の連絡先を確認中であり、6月中旬から認証申出の案内書類の送付を開始することを説明。その後は6月下旬から申出の受付を開始し、8月から10月にかけて審査を進めるという。11月頃には弁済業務委員会を開催し、12月中には還付手続きをおこなう考えだ。

 なお、弁済保証制度の資料請求件数と申請された被害総額は、5月10日時点でてるみくらぶが3万2000件・約86億円、自由自在が370件・約560万円に上るという。