観光庁、10月から訪日プロモーション本格再開-アジア中心に20億円強投入

  • 2011年8月21日

 観光庁は、10月から訪日外国人誘致のためのプロモーションを本格的に再開する。ビジット・ジャパン(VJ)事業の対象市場に対し、20億円規模の予算を投入。なかでも、散在需要が高い、重点4市場にあたる中国、韓国、台湾、香港にはそれぞれ8億円、4億円、1.5億円、1.5億円を割り当てる。日本が安心・安全であるという情報を発信し、海外旅行会社との共同広告の実施などで、訪日需要の促進をはかる考え。8月19日の定例会見で、観光庁長官の溝畑宏氏は「まず秋、そして年明けに対するインバウンドの観光需要の回復につとめていきたい」とし、秋の国慶節や年末年始、春節をターゲットに訪日需要を喚起したい考えを示した。

 また、溝畑氏は9月から開始される、中国人個人観光客のビザの発給要件の緩和にも「インバウンドの本格的な回復に向けて、個人ビザの緩和ははずみになる」と期待を示した。ビザ緩和にともない、トップセールスの強化や海外メディアの招聘事業の拡充をはかることで、まずは10月の中国の国慶節に向けて、需要を回復軌道にのせていきたい考えだ。

 トップセールスでは、長官自身も8月18日からタイと中国を訪問。中国では日本の現状を説明するとともに、ビザの緩和をアピールするほか、中国国家旅游局局長の邵琪偉氏との会談や、現地旅行会社、メディアとの意見交換会も予定している。また、海外メディアの招聘では東日本大震災以来7月まで、緊急対策事業として約1000人を招聘していたが、引き続き実施していく。