北陸新幹線福井開業で関東圏の来県7割増 関西圏も2割増 県推計

長屋護
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 福井県は11日、北陸新幹線金沢―敦賀間の延伸開業後の来県者数について、前年同期比で関東圏から約7割、関西圏から約2割増えたと発表した。福井駅周辺の商業施設の売り上げは想定の約2倍、能登半島地震の影響で落ち込んだ、あわら温泉の宿泊者数も延伸前の約1・5倍で、開業効果が様々な分野で表れている。

 来県者数は、3月16~31日のビッグデータで算出した推計値。前年との比較が可能な芦原温泉、福井、敦賀の各駅周辺の合計値で、越前たけふ駅は除いている。

 来県者数は前年比30・5%増の38万2千人。うち、東京とつながった関東圏からは同67・8%増の7万1千人と最も高い伸びを示した。

 関西圏は同18・4%増の13万2千人、中京園は同30・8%増の4万7千人。新幹線が延伸された区間で特急が廃止となり、敦賀駅で乗り換えが必要になった影響も懸念されたが、いずれも2桁の伸びを示した。北信越からは、地域別で関西圏に次いで多い9万9千人(前年比20・9%増)だった。

 在来線を引き継いだ、ハピラインふくいの3月の利用は1日平均2万3千人。北陸線の2019年の実績をもとに掲げた1日2万人の目標を上回った。

 えちぜん鉄道は、定期や回数券を除いた利用で前年比70%増の8万3千人と大幅に増えた。県立恐竜博物館(勝山市)の来館者が、コロナ前の19年と比べ、36・9%増の約7万人となったことも影響した。福井鉄道も観光などの利用が前年比31%増の3万4千人と増えた。

 観光地ではこのほか、敦賀赤レンガ倉庫敦賀市、37・8%増)、めがねミュージアム(鯖江市、27・8%増)、一乗谷朝倉氏遺跡博物館(福井市、26・7%増)でも高い伸びを示した。

 宿泊施設では、開業前(2月29日~3月15日)との比較で、あわら温泉(10施設)は50・4%増の1万7683人。福井駅前の3施設も23・0%増の8003人だった。

 新幹線4駅周辺の商業施設の利用も増え、「otta」(敦賀市)は同122%増の3万6436人、ハピリン(福井市)は同90%増の13万1795人、アフレア(あわら市)は同86%増の10万1633人。駅ナカ商業施設「くるふ福井駅」には約88万人が訪れた。

 杉本達治知事は記者会見で、開業効果への評価について、大型連休後の状況も見極める必要があることから、「まだこれから」としたうえで、「新しい投資も始まり、ここから加速することを期待している」と述べた。(長屋護)

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