伊勢神宮から熊野三山へ「穴場ルート」いかが? 狙うはインバウンド

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菊地洋行
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 伊勢神宮三重県伊勢市)周辺から、和歌山県熊野三山に至る「熊野古道伊勢路」。約200キロの行程を巡礼する旅行の商品的価値を確かめる実証ツアーが行われている。世界文化遺産登録後、近年は観光客が伸び悩むなか、魅力を掘り起こし、訪日外国人旅行者(インバウンド)を呼び込むのがねらいだ。

 5日から始まった実証ツアーは観光庁の「ロングストーリー造成事業」の一つ。東京、京都、大阪に集中する訪日客の分散を図るため、地方の観光資源や物語性のあるツアーを同庁が募集するもので、東紀州地域振興公社(熊野市)と民間会社などによる案が採択された。外国の旅行会社の社員や留学生など約10人が一部で交通機関を使い、社寺や峠などの名所を歩いて巡る12日間の旅だ。

 熊野地方特産のめはりずしやミカンジュースの飲み比べ、茶道など日本文化の体験、地域住民との触れ合いといったその土地ならではのコンテンツと連動しながら、インバウンドに長期間滞在してもらう旅行商品づくりをめざす。

 参加者らは初日、江戸情緒が残る麻吉旅館(伊勢市)で、伊勢和紙を使った御朱印帳づくりや、伊勢音頭を体験した。御朱印帳は熊野西国三十三カ所の観音霊場巡りに使ってもらうことを想定している。

 米シアトルに本社がある旅行社から参加したロビン・デボーさん(34)は、初めての日本訪問。「御朱印帳を使ってお寺や観音様を巡るのが楽しみ。メジャーな場所ではないが需要は見込めると思う」と話した。

オーバーツーリズム状態の中辺路、一方の伊勢路は…

 紀伊半島では川や滝、巨岩をあがめる自然崇拝と神道や仏教が結びつき、小辺路、中辺路、大辺路などの巡礼道が発達。3県にまたがるそれらを総称した熊野古道が2004年に世界文化遺産に登録された。

 コロナ禍があけ、インバウン…

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