茨城県内の観光 回復着々と

富永鈴香 上沢博之
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 コロナ禍に苦しめられた3年余り。特に大きな影響を受けた分野の一つが観光だ。その現状を数字でたどる。

 2022年に茨城県内の観光地を訪れたり、イベントを楽しんだりした人は、4963万5千人に上った。前年から25・0%の増加で、観光消費額は過去最高となった。データをまとめた県は、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことや大型観光キャンペーンの展開が背景にあるとみている。

 県観光物産課によると、22年の調査は県内の189カ所の観光地と255の行事やイベントが対象。客数は、前年より約1千万人増加した。過去最多の約6443万4千人だった19年と比べると、77・0%だった。

 客数が増えたイベントや施設は、前年は中止だった「土浦全国花火競技大会」「石岡のおまつり」、前年に開業した「道の駅かさま」などで、前年より26万~45万人の増加だった。市町村別では大洗町ひたちなか市笠間市が上位を占めた。

 観光消費額は2958億4800万円で、1970年の調査開始以来、最高額となった。観光客の増加に加え、宿泊などで1人あたりの消費額が増えたことも要因とみている。

 観光目的の内訳をみると、スポーツ・レクリエーションが全体の約2割で最多だった。県は昨年度からJRグループとコラボした「茨城デスティネーションキャンペーン」のプレ事業を企画し、サイクリングなど、アウトドアスポーツを推進していた。

 また今年の公設海水浴場の利用者数も発表された。7市町の計14カ所で、7~8月の計37日間を調べたところ、昨年より約1万3千人少ない約45万人だった。猛暑で外出を控える人が多かったことや、台風の接近で遊泳禁止になった海水浴場があったことが影響したという。(富永鈴香)

     ◇

 成田空港内の2月1日時点の事業者数は619事業者、従業員数は3万6315人で、前回調査した2017年11月1日時点より、54事業者、6956人減少した。成田国際空港会社(NAA)の調査でわかった。急減した東日本大震災後の11年調査の結果も下回った。

 NAAは「コロナ禍の影響が原因。2月の調査以降、航空需要は回復基調で、それに合わせて各事業者が人員確保に努めている」としている。おおむね3年ごとに調査してきたが、コロナ禍で17年調査後は見送ってきた。

 開港した1978年の調査では289事業者、1万7400人で、2008年調査の674事業者、4万8404人まで増え続けた。リーマン・ショックや東日本大震災などの影響があった11年調査で、648事業者、3万8689人に急減。その後、17年調査まで増加傾向にあった。

 今回の結果を事業者の区分でみると、物販や飲食、航空機サービスなど、ほとんどで前回調査より減少が見られたが、コロナ禍による海運の混乱などで増えた貨物サービスでは従業員が342人増の6096人になった。

 住居地別の従業員数は、千葉県内が全体の89・2%を占める3万2407人。最多は成田市の1万3509人(37・2%)で、富里市が2466人(6・8%)、千葉市が1615人(4・4%)などだった。

 茨城県内は830人で全体の2・3%だった。稲敷市が186人(0・5%)、龍ケ崎市が96人(0・3%)、河内町が74人(0・2%)で、いずれも前回調査より減った。(上沢博之)

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