【ホテル座談会・後編】旅行会社とホテルの関係は?ウィズコロナのおもてなしとは?

GOTOトラベルは直販化のチャンス
コロナ対策とおもてなしの共存で差別化を

-コロナ禍で人と人との接触が減る傾向にありますが、ホテルの場合は非接触を進めすぎると、人と顔を合わせない宿泊特化型サービスに画一化してしまうかと思います。非接触とホテルならではのおもてなしのバランスをどう考えますか

スタッフが作成した、ホテル周辺の美食マップ。日本語に加え中国語など外国語表記のものも用意(※クリックで拡大) 小林 ファーストキャビンの強みは人で、コロナ前はスタッフに会いにきてくださるお客様が多かったです。コロナ禍で状況は変わったとはいえ、一番大切なのはやはりお客様との触れ合い。今は手書きのマップを作ったり常連のお客様にお手紙を書いたりしてコミュニケーションを取っていて、今後も続けていきたいです。

本間 コロナ対策はしっかりしながらも、お客様のケアはこれまで以上にするというのが私たちのやり方です。お客様には予約の段階でいろいろとお話を伺い、それをもとにホテルのスタッフの寄せ書きをお部屋に置くなどの取り組みをして、リピーター化につなげられるようにしています。

スマートフォンがそのまま鍵になる(プリンススマートイン恵比寿) また、お客様のニーズをいかに先読みし、そこからプラスワンの何かを提供できるよう取り組んでいます。お客様との対話なしにはわからないことなので、そこは絶対に簡素化してはいけないところだと考えています。

 ちなみにプリンスホテルグループとしては、今年の10月に東京に宿泊特化型の新ブランド「プリンススマートイン恵比寿」を開業しました。スマートフォンアプリでチェックインなどができる非接触型のホテルで、来年以降もさらに増やす予定です。

宿泊時に体温測定を実施(イメージ)西村 現在スタッフが実施している体温測定や会計など、人よりも機械での対応が適しているところは機械にまかせ、その分手の空いたスタッフを接客に回したいと考えています。接客は日本ならではの文化で、とても重要なものです。

 コロナ禍で非接触・非対面になってきましたが、結局はやはり人対人だと思います。我々が重視しているのは「痒いところに手が届く」こと。何気ない挨拶をするかしないかでお客様のイメージが違います。スタッフがオープンスペースにある程度いてお声がけすることが、都ホテルの一つの強みになると思っています。

小林 今後はデジタルから逆にアナログに進んでいくように思います。もちろん、IT技術を利用できるところは利用していくことになると思います。安全性を重視し、接触を減らせるところは減らしながらおもてなしをしていくと、各ホテルのオリジナリティ、良さが出てくるのではと思います。

-最後に、業界の方々にメッセージをお願いします

小林 今はコロナの第3波で厳しい状況ですが、必ず旅行業界は復活します。旅行会社・ホテル・地域を巻き込んだ取り組みが今後の鍵になります。共に顔晴り(がんばり)ましょう!!

本間 皆さん、同じような状況で苦しい中頑張っていると思います。色々な情報交換しながら、お互い乗り越えていけたらと思います。

西村 今はとても苦しい時間を過ごしておりますが、必ず新しい明るい未来がやってきます。共に励ましあい、今を乗り切りましょう。

-ありがとうございました