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HISが開始した新たな「スマホ接客」とは-ビデオ通話で予約獲得へ

チャットやビデオ通話を活用、予約まで一気通貫
40代から60代に好評、顧客単価上昇も

ビデオ接客でオンライン販売の単価上昇へ

LINEの画面。わかりやすく相談の仕方を案内してくれる  接客DXは9月から試験提供という形でサービスをローンチした。清水氏は「全く新しいサービスであり、ニーズが読み切れない点や、ビデオ接客担当のオペレーションの観点などを踏まえ、お客様に迷惑をかけずに早く進めるために試験的に提供することにした」と説明。当初は20代が多くなる想定だったが、導入開始月の利用者を見ると、40代から60代が全体の約7割を占めており「年齢にかかわらず使ってもらっており、手ごたえを感じている」という。

 チャットボットから入り、ビデオ接客までつながった人数は非公開だが、清水氏は「想定よりはるかに多い人数がビデオ接客を受けている。ウェブサイトからの来店予約の割合と比較すると、かなり高い比率」と説明。星野氏も「接客DXのおかげでお問い合わせが明らかに増えた」と喜びを語った。

 ビデオ接客での旅行商品の予約については、顧客単価が高いケースが多い。星野氏は「オンラインの安い旅行商品よりも、値段は上がるがこちらの方がバリューのあるものだ、という風に、部屋のランクアップや直行便の利用を勧めるため、自然と単価は上がる」と説明。ビデオ接客により顧客のニーズに合った提案が可能であることを強調するとともに、「オンラインの領域で顧客単価を上げるという目標をしっかり達成したい」と意気込みを述べた。

 今後は来年をめどにサービスをさらに拡充する見通し。現在はコロナ禍で国内旅行が主な商品だが、星野氏は海外旅行が普通にできるようになる将来をチャンスと見る。同氏は「海外旅行は国内以上に心配な方が多い」としたうえで、「国内旅行で多くお問い合わせをいただいているが、さらに海外旅行のお客様が戻ってきたとき、店舗で受けきれないお客様も出てくるだろう。その対策として、接客DXをフル活用したい」と意欲を示した。