コロナ渦のシドニー、空港の様子は?日常生活は?-現地レポート

トランスオービット オーストラリアの日賀野GMからの寄稿(2020.8.4)

本稿は、トランスオービット オーストラリアGMの日賀野誠氏より寄稿いただいています
シドニー空港の様子

 オーストラリアの国境が3月20日に閉鎖されて早くも4か月が過ぎた。この閉鎖は現在も緩和されることなく続いており、オーストラリアへ入国できるのは14日間の強制隔離を条件に、原則オーストラリア市民、永住権所持者の帰国に限られている。

 国境が再開される具体的な道筋はまったく見えていないが、世界各国の新型コロナウィルスの収束と国外からの旅行者の受け入れが早期に再開されることを願いつつ、シドニーのコロナウィルスの影響と現況をレポートする。

シドニーにおける規制

 シドニーでは6月より段階的に規制が緩和されていたが、ビクトリア州のメルボルン及び近郊で新規感染の急増、シドニー郊外でクラスターが連続して発生していることから、再びシドニーでの感染拡大に緊張が高まりつつある。

 8月3日の時点でニューサウスウェールズ州での新規感染者数は、1日あたり10-20名と大規模な感染拡大にならずに、なんとか踏みとどまっている状態である。

 現在のシドニーにおける新型コロナウィルス関連の主な規制は以下の通りである。

◯カフェ、レストラン、パブなどの飲食施設
・収容人数を最大300名、または店内面積4平方メートルにつき客1名のうち、いずれか少ない方に制限
・予約・1テーブルの人数を10名までに制限
・アルコールの提供は着席時のみ
・利用者の名前、連絡先、利用日時の記録
・テーブル間を1.5メートルの物理距離をとること
◯屋外での集会は最大20名まで
◯別の世帯への訪問は最大20名まで
◯ナイトクラブの営業禁止
会社事務所ではオフィス面積4平方メートルにつき社員1名まで。社員が在宅勤務を希望した場合は、雇用主は合理的な理由がない限り在宅勤務を許可しなければならない

 連邦制のオーストラリアでは、各州の首相が州内の規制内容の決定・実施の権限を持つため、州ごとに規制内容が異なる。