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旅行会社はひと味違った提案を-南アフリカでMICEや修学旅行が顧客に刺さる理由[PR]

  • 2020年1月16日

南アフリカでMICE・修旅・研修旅行の可能性を探る
SDGsの実例や非日常を体験できるデスティネーション

修旅・研修の候補地としても

南アフリカ観光局トレードリレーションシップ・マネージャー近藤由佳氏

 南アフリカ観光局は修学旅行や研修旅行といった教育旅行の目的地としても日本で積極的なプロモーションを行っていく方針だ。南アフリカ観光局トレードリレーションシップ・マネージャー近藤由佳氏は「まずは研修旅行。私立のサマースクールの目的地として南アフリカをピーアールすることから始めたい」という。

 南アフリカが研修旅行の適地であると考えられる理由の一つが、教育現場におけるSDGs重視の流れがあるからだ。南アフリカは自然環境を次世代につなげていく取り組みに力を入れており、たとえばケープタウンのボルダーズビーチでは南部アフリカの固有種であるアフリカ・ペンギンの保護活動と観光を両立された取り組みが進んでいる。また内陸部では絶滅危惧種であるアフリカゾウの保護活動にも力を入れている。これらの取り組みがSGDsの実例として教育素材に利用できる。

ペンギンの治療などの保護活動の様子が体験できる

 さらに「アパルトヘイトを乗り越えて、文化的背景や言葉、習慣の異なる人々が一つの国づくりに取り組み、他者との違いを認め尊重しあう姿勢からは、日本の若者も学ぶところが多いと考えられる」(近藤氏)ことも、南アフリカが教育旅行誘致に力を入れる理由だ。

 個々の旅行条件は、多くの関係者が想像するよりも良い。日本と南アフリカ間の航空便のアクセスは、航空座席供給の全体量は多くはないものの、エコノミークラスの供給は需要を上回っており、座席確保は問題ない。近藤氏は「アジア、中東、ヨーロッパなどさまざまな経由便があるので座席確保に困ることはないはず」と強調する。

 また学校側の状況を見ても、海外教育旅行先は台湾、シンガポール、オーストラリアなどに集中しているのが現状。目新しさを求めるなら南アフリカは有力候補だ。タイミング的にも南アフリカの教育旅行には追い風が吹く。2019年に日本で開催したラグビーW杯で代表チームが優勝し、南アフリカの認知度が上昇し国のイメージも向上していると考えられるからだ。

南アフリカへの研修を実施している高校

 北海道にある私立高校では、春休みの研修旅行として南アフリカを含むアフリカへの研修を継続的に実施。対象は1年~3年生の希望者で、毎年40名ほどが参加している。

 研修を手配し実際に同行したUTIジャパンの営業2部係長の緒方正太郎氏は「絶対にまたアフリカに戻ってくると涙ながらに誓う生徒もいる。干ばつで死んだ大型動物の亡骸を目の当たりにして、地球温暖化や気候変動の恐ろしさを身をもって知ったと感想を述べる生徒もいる。頭でなく体全体で学べるのがアフリカの特徴だ」と教育効果を説明する。

 研修旅行のコストについて緒方氏は「どうしてもアジアなど近場の目的地よりは高くなるが、アフリカまで足を延ばしても工夫次第である程度抑えられる。たとえば、せっかくアフリカまで行ったからと複数国を回るのではなく、たとえば南アフリカだけに絞って日程も短縮すればコストは抑えられる」という。

 教育旅行で18歳未満の若者が南アフリカを旅行する場合にネックとなっていた極めて厳格なビザについても、大幅な規制緩和が図られており、教育旅行の環境整備も進みつつある。「ビザの規制緩和が徹底されるようになり、現場に浸透すれば南アフリカへの教育旅行がさらに実施しやすくなるのは間違いない」(緒方氏)ことから、今後、南アフリカの人気も高まっていく可能性が十分にあるはずだ。

18歳未満の子供の南アフリカ入出国に際する必要書類について
18歳未満の子供が南アフリカへ単独で渡航する際には、必要書類の携行が義務付けられています。