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ルックJTB、20年度は欧州とハワイ強化、独自性やニーズ多様化へ対応も

  • 2019年12月5日

 発表会では、JTB海外仕入商品事業部商品戦略部長の武藤好則氏が具体的な施策を説明した。

武藤氏

 強化方面の欧州では、「ならでは」のコンテンツとして貸切観光や特別観光を拡大。例えば、2階建てのパノラマバスレストラン「バストロノーム」を365日チャーターし、ミシュランガイド2ツ星を獲得した日本人シェフの監修したオリジナルの6コースメニューを楽しみながらパリを観光できるプランを用意したほか、リバークルーズの1艘貸切も各地で実施する。フランスについては、パリ在住のフリーアナウンサー中村江里子さんをアンバサダーとして迎え、バストロノームに乗車したりパリのカフェやマルシェを一緒に巡る体験なども設定していく。

 ランドクルーズは、バスク地方やクロアチアとスロベニア、そしてイギリスなどの新ルートを追加。これにより、コースの総延長は2万キロメートルを超えて地球のおよそ半周に達したという。このほか、各国の祭りや花の鑑賞など時期が限定される素材を取り上げる新商品「旬の旅ヨーロッパ」も設定した。ランドクルーズのコース数は、今年度が80コースであるところから来年度は91コースに増加する。

 一方ハワイでは、環境負荷の軽減のため電動かつ提唱バリアフリーの「Hi Bus」を運行しショッピングに適したコースを増設。また、ハワイ島では「コナ・ヒロゆうらんバス」を旅行会社6社で共同運行する。

 また、ワイキキ東のハワイカイでは、「'OLI'OLIオーシャンステーション」を導入。2階建ての「オーシャンステーション」を海に浮かべ、海の上に配置するデッキチェアでくつろげたり、ウォータースライダーやクリアカヤック、シュノーケリングを楽しめたりできるようにする。加えて、シェラトン・ワイキキの30階に貸切の「ルックJTBナイトラウンジ」を新設。また、特別企画の「オーシャンフロントビュッフェディナーatピンクパレス」も継続実施する。

 両方面の販売強化に向けて店舗スタッフへの教育など販売体制の充実にも取り組む。例えば、欧州については日本旅行業協会(JATA)のエリアスペシャリストの取得者数を現在の170名から600名に増やすことを目標に掲げるほか、現地の実踏研修にも300名を送り出す計画だ。また、ハワイでは、ハワイ州観光局(HTJ)の「ハワイスペシャリスト」の認定者を増加し、現在130店舗の「サテライトオフィス」も増やしていく。現地研修はハワイでも実施しているところで、2018年は420名、2019年は280名を送り出しており、2020年も240名を予定する。

 このほか、「ならでは」「ニーズ多様化への対応」の取り組みのひとつとして、製販一体型商品として、シニア向けの添乗員付き商品「JTB心ゆく旅」と秘境を中心に扱う「JTB地球の詩(うた)」を強化。顧客ごとの個別相談会も今年度より充実する。武藤氏によると説明会は全国で45回開催し、各回4組前後で90分をかける予定で、今年度の60分から拡充する。

 さらに、「安心・安全」の取り組みでは「ルックJTBおでかけ安心サポート」を導入。インフルエンザやノロウイルス、渡航手続きの不備、急な休日出勤、出張、ペットの死亡など不測の自体で出発間際にキャンセルせざるを得ない場合の取消料や、乗り遅れなどで生じた費用の実費などについて最大10万円までサポートするもので、追加代金なく利用できるようにした。

 なお、航空仕入れについてチャーターや買い取りの方針については、2019年度が22万席規模で2020年度も同程度とする計画だ。

※訂正案内(編集部 2019年12月6日12時52分)
訂正箇所:第2段落最終文
誤:今年度が90コースであるところから来年度は91コースに増加する。

正:今年度が80コースであるところから来年度は91コースに増加する。

お詫びして訂正いたします。