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ポナンとポール・ゴーギャンが共同セミナー、買収後も独自ブランドで販売を展開

  • 2019年11月5日

(右から) ポンフォート氏 、 アベロ氏 小型船と帆船による上級志向の船旅を提供するポナン社と、仏領ポリネシアを中心にクルーズを運航するポール・ゴーギャン・クルーズは、このほど東京都内で2020年以降の新商品の発表を中心とした共同セミナーを開催した。2019年8月にポナン社がポール・ゴーギャン・クルーズを買収し「我々は家族となったが、今後もこれまで通り、それぞれのブランドを維持して展開していく」と、ポナン社アジア太平洋地区副社長のモニーク・ポンフォート氏は冒頭で挨拶。ポール・ゴーギャン・クルーズ副社長のオスカー・アベロ氏も「これまで通り、タヒチを中心とする南太平洋の魅力を発信する商品を販売していくので、ご尽力をお願いしたい」と述べた。

 セミナーでは、まずポナン社からビジネスディベロップメントマネージャーの伊知地亮氏が登壇。同社が小型船ならではの特徴を生かしたエクスペディションとヨットスタイルのクルーズであることを説明。エクスペディションは、自然環境に配慮し先住民文化を保護するなど持続可能な旅を基軸としており、南極クルーズでは4隻の船で航行し、19年間の実績を誇る業界最大手であることを強調。また、ラグジュアリー船のヨットスタイルは「船内に入ったら客船というより、ブティックホテルに来たような感覚」とアピール。さらに2021年に北極圏に就航予定の砕氷船「ル・コマンダン・シャルコー」はヨーロッパから北極海を抜けてカナダ、アラスカを巡るといった業界初となる新航路の開発中であることを明かした。

 続いてポール・ゴーギャン・クルーズの日本地区販売代理店であるインターナショナル・クルーズ・マーケティング(ICM)マネージャーの榎本美智子氏が、同社もやはり自然環境に配慮した持続可能なクルーズを軸に、南太平洋ならではのポリネシアン・ホスピタリティの魅力や、ハネムーンや記念日などアニバーサリー・クルーズに適した船であることをアピール。日本人コーディネーターの乗船する航路や日本人スタッフによる送迎パッケージ商品など、日本市場に対するサービスなどを紹介した。

 ポナンとポール・ゴーギャン・クルーズの合併によるメリットについて、両者はラグジュアリーな小型船を利用した船旅、自然環境に配慮するといったポリシーなど共通項が多いことから、ポンフォート氏は「今回の買収によりより広い客層を共有し、市場の拡大につなげることができる」と説明。アベロ氏も「ポール・ゴーギャンのアイテナリーは決まっているが、この提携により顧客に幅広い選択肢を提供することが可能となる」と語っている。