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JTBの「旅革命」、欧州バス事業の現状は?冬の新コースも販売開始

  • 2019年7月17日

VFR需要が顕在化、想定より早いオンラインの浸透も
他社経由の販売も強化

「VFR需要」が顕在化、独クリスマスマーケットなどコースも充実

 ランドクルーズの販売では、店頭と電話予約用に3区間以上をセットにした募集型企画旅行「ランドクルーズJTB」を用意し、一方ウェブサイトでは、これに加えて区間を自由に組み合わせて販売できるようにしている。大槻氏は「自由に組み立てる販売手法が浸透するのは数年かかると考えていたが、すでに10%程度ある」といい、すでに5区間を乗り継いで20日間の旅行をする顧客も出てきているという。

 また、客層としては、航空券をマイレージなどを使って自分で手配して現地在住の家族や友人に会い、その後にSICに乗車するといったいわゆる「VFR(Visiting Friends and Relatives)需要」も顕著といい、大槻氏は「これまでは取り組めていなかったお客様かもしれない」と発見を語る。

 このほか、方面としては当初の想定通りイタリア、特に南イタリアのアルベロベッロやアマルフィ、あるいはスペイン、中欧のプラハ、チェスキーなど、1人で公共交通機関でスーツケースを抱えながら旅行をするのは難しい地域、費用や治安の課題のある地域が人気という。

 7月5日には下期商品の販売を開始し、ドイツのクリスマスマーケットを複数の都市で満喫するコースやシチリア島のコース、さらにポルトガルなどを追加。冬期は運行が難しい一部のコースを除いて、差し引き82コースでの運行となる。

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他社経由の販売も強化、社内啓蒙も進め「革命」遂行へ