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観光産業が日本を救う 全旅連青年部全国大会開催・西村総一郎部長に聞く(3) 「天地人すべていかして」

 ―インバウンドの伸びが目立ち、東京オリンピックがあります。観光業界に上げ潮のムードがあります。

 西村 外国人観光客全体を増やすことはもちろんですが、いかに地方に足を運んでもらうのかという仕掛けが必要だと思います。2019年のラグビーワールドカップや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックは地方の情報を世界に発信する千載一遇のチャンスです。課題としては地方についての認知度の向上や、1次交通、2次交通の問題など多岐にわたります。

 人手不足に関しては、宿泊産業にも技能実習生制度が活用できるようになり、新たな在留資格制度が始まると、さらに大きく変わります。ただし外国人労働者をどのように自らの企業などに受け入れるのか、もっと言うと社会全体として単なる労働者としてではなく、生活者として溶け込ませていくのかなどは大きな課題です。業界全体として受け入れる以上、全旅連の活動のなかでも様々なケアやノウハウの蓄積と的確な助言などが大切なものになってくると考えます。

 ―次期部長の鈴木さんにエールを送ってください。

 西村 失われた20年と言われる経済停滞期、リーマンショックや東日本大震災などの苦難を乗り越え、日本再興の旗印であった2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される象徴的な年次をまもなく迎えます。

 2020年代以降、観光が真に日本の将来を支える産業へと進化を遂げなければならない中、未来への責任を負う世代のリーダーとしての責任は重大です。永年の青年部活動で培ったもの、天地人すべてをいかして活躍されることを期待しています。

(トラベルニュースat 18年10月25日号)

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情報提供:トラベルニュース社