itt TOKYO2024

トップインタビュー:ドイツ、デジタル強化で予算追加-19年は「音楽の国」[PR]

18年は「美食の国」、年末から「第九」アピール
デジタルマーケティングに3万ユーロの追加予算

-旅行会社向けの取り組みはいかがでしょうか

西山 我々はBtoBに引き続き注力する。昨年実施した調査では、日本のOTAが販売している「エアー&ホテル」の80%以上がフランクフルト、ミュンヘン、ベルリンの3都市あるいはその組み合わせだった。OTAは簡単な商品しか売れないが、旅行会社は地方の小都市を組み合わせた周遊型ツアーなど多様なツアーを販売できる。旅行会社が造成したパッケージツアーにおける滞在都市は16年上期で84都市、下期で79都市あった。ドイツの隅々までツアーが回っており、こうした地方の都市から見ると、日本はポテンシャルのある市場となっている。

 旅行業界に対してもデジタル化を進めており、旅行会社が造成する旅行商品をそれぞれのオンライン予約プラットフォームで展開していただき、そこで一緒に販促活動を進めていきたい。たとえば、6月にバイエルン州で旅行会社向けのファムツアーを実施したが、参加した旅行会社4社すべてのウェブサイトで、既存商品とともに視察先を含む新商品の販促キャンペーンを展開していただくことになっている。

 19年はドイツ旅行展を開催する。それに合わせて、6月の第1週にはBtoB向けのワークショップを東京と大阪で開催する。さらに、日本語セールスガイドをリニューアルして来年中にeブックとして発行する予定だ。

 セミナーについては例外を除いてすべてオンライン化し、動画を使ったインターネット上での「ウェビナー」として提供していく。どれほどの参加人数が見込めるのか未知数なところがあるため、年内に旅行会社側の環境を確認し、来年1月には始められるように準備を整えたい。将来的には現地サプライヤーも参加できるようなウェビナーにしていきたい。ウェビナーは地域の壁が取り払われる。参加人数など最初は苦労すると思うが、先駆的な取り組みは継続したい。

 このほか、オーストリア、スイスと3ヶ国での取り組みを継続する。3月と4月に3ヶ国の観光局とLHおよびレイルヨーロッパと共同で旅行会社向けの観光セミナーを東名阪で開催した。3ヶ国での取り組みはグローバルで展開しており、来年以降もさまざまな分野で協力したい。


-19年のテーマは「バウハウス創立100周年」ですが、日本では認知度が低いテーマをどうアピールしていきますか

西山 バウハウス創立100周年については、日本ではニッチなテーマとしてデザインや建築などのコミュニティーに対するアプローチを強めていくほか、インターネット上のキャンペーンやニュースレーターでコンテンツとして取り上げていく。パッケージツアーとしての商品化は難しいと思うので、FITが中心になるだろう。

 さらに、20年の「ベートーヴェン生誕250周年」を前倒しして、今年の後半から「#音楽の国ドイツ(仮)」キャンペーンを展開していく計画だ。18年はベートーヴェンの交響曲第9番が初めて日本で演奏されて100年を迎えることから、「日本における第9演奏100年」をフックとしてアピールし、アマチュア団体のコンサートなどに協賛して消費者の興味と関心を引き出したい。旅行会社に対してはコンサート付きのツアーなどの商品化を提案していきたい。

 このほか、19年は3月から7月にかけて「ジャーマン・サマー・シティーズ」というグローバルデジタルキャンペーンを展開する。詳細は後日発表する予定だ。


-ありがとうございました