富山の「ホテル黒部」旧運営会社が特別清算、新会社が事業継続

  • 2018年8月23日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、富山県黒部市の宇奈月温泉で旅館「ホテル黒部」を経営していたHK整理会社(旧社名:ホテル黒部)はこのほど、大阪地方裁判所からより特別清算開始決定を受けた。負債総額は約7億円。事業は新たに設立した旧社名と同名のホテル黒部が継承している。

 同社は1963年に創業し、76年にホテル黒部の商号で会社設立。「ホテル黒部」は黒部峡谷とトロッコ電車を一望できるロケーションで人気を博していたが、バブル崩壊後は業績低迷が続き、2014年10月期には売上高が約2億7000万円にまで縮小した。

 その後、15年10月期は北陸新幹線の開業効果により、売上高は約3億5000万円にまで回復したものの、過去の減価償却処理などから黒字には至らず、その後は客室稼働率が再び低下。膨らんだ多額の借入金も重荷となり、財務状態の改善が難しいことから、17年11月には同名のホテル黒部を新設し、今年2月に会社分割により旅館事業を譲渡。旧ホテル黒部はHK整理会社に社名を変更して今回の措置となった。