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米国、50回目のIPWをデンバーで開催、プロモ強化へ

  • 2018年6月24日

新大統領就任後の昨年から一変
穏やかな雰囲気で商談会

メイン会場のコロラド・コンベンション・センター  米国コロラド州のデンバーで5月21日からの3日間、USトラベル・アソシエーション(USTA)が毎年主催する商談会「インターナショナル・パウ・ワウ(IPW)」が開かれた。今年は記念すべき50回目で、デンバーでの開催は27年ぶりの2回目。昨年は移民の流入などに対して強硬策を掲げる新大統領の就任後に首都のワシントンDCで、しかも一部の現地メディアがブランドUSAへの国家予算削減の可能性を報じた直後に開催されたが、今回は一転して政局絡みの緊迫した話題はなく、昨年を知る参加者からは「今年は随分と穏やかな雰囲気」との声も聞かれた。今回のIPWの様子を紹介する。


メガファムや映像で需要喚起、日本への投資も継続

ダウ氏 21日の午前は、メイン会場の「コロラド・コンベンション・センター」で開会式が開催され、USTAとブランドUSAの両CEOが挨拶。USTAのロジャー・ダウ氏は、今年も70ヶ国以上から6000名超が参加して盛況を見込んでいることを説明し、新たな50年に向けたバイヤーとセラーの商談に期待を示した。ブランドUSAのクリストファー・トンプソン氏は挨拶に加えて、同団体の活動に関するプレゼンテーションを実施。過去5年間の活動により540万人の訪米旅行者、177億米ドルの旅行消費、384億米ドルの経済効果などを生み出したことをアピール。改めてブランドUSAの存在価値を強調した。

トンプソン氏のプレゼンテーションの様子 ブランドUSA の17年の取り組みについては、日本・韓国・オーストラリアに加えて、成長市場の中国とインドの計5市場でセールスミッションを実施したことなどを紹介。中国では今年9月に杭州で毎年恒例の「米中ツーリズム・リーダーシップ・サミット」を開催し、2国間のさらなる交流拡大に向けて協議することも伝えた。そのほか、8月にはオーストラリアとニュージーランドの旅行会社を対象に、メガファムを実施することも説明。新たに設けた旅行業界向けサイトで、情報提供などの強化に努める方針も示した。

 BtoCでは、今年からAmazonFireやAppleTVなどで無料視聴できる「GoUSATV」のストリーミング放送を開始したことを紹介。あわせて今後は、先住民の伝統音楽からカントリー、ブルース、R&B、ロック、ヒップホップ、ラテンまで米国音楽の魅力をまとめて紹介する新たなIMAX映画「America's Musical Journey」を公開するほか、映像配信サービスNetflixで「National Parks Adventure 3D」の配信を予定するなど、引き続き映像作品を活用して需要の掘り起しに注力することもアピールした。

朝食会で挨拶する志村氏 なお、開会式の直前には、毎年恒例の日本からの参加者による朝食会が催され、約60名が参加。午後には日本旅行業協会(JATA)とブランドUSAが同じく毎年恒例の意見交換会を実施し、JATAからは理事長の志村格氏など、ブランドUSAからはグローバル・トレード開発担当ヴァイス・プレジデントのキャシー・ドマニコ氏などが出席し、訪米旅行需要の拡大に向けたプロモーションの継続について協議。今年の7月には日本で昨年に続き商談会「ブランドUSAセールスミッション」を開催し、9月の「ツーリズムEXPOジャパン」にも引き続き出展するなど、日本市場向けの予算が維持される方針が決まった(関連記事)。