週間ランキング、1位はUAミクロネシア線、プレエコオークションも

[総評] 今週の1位はユナイテッド航空(UA)によるミクロネシア線の再編となりました。リージョナル航空会社のケープエア(9K)との提携を見直して、9Kの運航によるグアム/サイパン線とグアム/サイパン/ロタ線(三角運航)がネットワークから外れる一方、グアム/サイパン線については自社運航で便を追加します。

 現状の9K便はプロペラ機のATR42型機で運航されていて天候の影響を受けやすいのに対し、自社便はジェット機のB737-800型機になるそうで、そもそもこの見直し自体が地元住民の要望を反映したものとのことです。

 とはいえ、そうはいっても今年に入ってから、UAが仙台/グアム線の運休や関空と中部のグアム線の減便を発表したほか、デルタ航空(DL)も成田発着のサイパン線とパラオ線の運休を決めるなどミクロネシア路線で激震が続いており、今回の見直しをそれらと連想して受け止めない読者のほうが少ないでしょう。

 もとはといえば北朝鮮のミサイル問題など米朝関係の悪化が発端だったはずで、それに対して胡散臭さは多分にあるとはいえ首脳会談も準備が進められており、需要回復にも期待がかかるところです。

 ミクロネシアはコンチネンタル航空時代からの伝統ある路線であり、デスティネーションとしても特に地方から直接行けるリゾート地として重要な役割を担っておりますので、これがこの先どうなるのかなんとも不安な状態が続きます。

 ただし、ミクロネシアではジンエアー(LJ)がエイチ・アイ・エス(HIS)のチャーターで今夏に96本ものチャーターをサイパンへ運航する予定であるなど、新しい動きも見えてきています。今週2位の記事でも、国内線で従来よりも柔軟に欠航できるような仕組みができ、LCCによる路線拡充に期待がかかるとお伝えしていますが、このように業界全体で最適化の最中なのかもしれません。

 最適化という意味では、6位に入った全日空(NH)がプレミアムエコノミーへのアップグレードをオークション形式で販売する施策も興味深いものがあります。具体的には、対象便のプレミアムエコノミーに空席がある場合に国際線エコノミークラスの搭乗予定者から入札を募るというもので、テクノロジーを活用して収益機会を最大化しようという試みです。

 例えば会社の規定ではエコノミーにしか乗れないが差額分を自分で払ってでも快適さを求めたいという出張者もいるでしょうし、利用者目線でも使いやすい仕組みではないでしょうか。マイルで支払えるようにしなかったのがなぜかは分かりませんが、反響が大きければサービス拡充の可能性もあるかもしれません。

 海外のニュースを読んでいると、DLが発券後のアップグレード販売で好評を得てかなりの増収に繋がっているという情報もあります。最近はこういった隙間の増収機会が旅行会社にとってもビジネスチャンスになる可能性はないかと思案していたところで、NHのニュースは日本にも波が来ることを予感する機会となりました。(松本)

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▽訂正案内(編集部 2018年4月23日08時56分)

訂正箇所:第6段落第1文
訂正前:ただし、サイパンではジンエアー(LJ)がエイチ・アイ・エス(HIS)のチャーターで今夏に96本ものチャーターを運航する予定である・・・

訂正後:ただし、ミクロネシアではジンエアー(LJ)がエイチ・アイ・エス(HIS)のチャーターで今夏に96本ものチャーターをサイパンへ運航する予定である・・・