独墺スが観光セミナー、ルフトハンザとレイルヨーロッパも参加

  • 2018年4月3日

(左から)レイルヨーロッパの加々美氏、ドイツの西山氏、LHの稲葉氏、オーストリアの福田氏、スイスのファビアン氏  ドイツ観光局、オーストリア政府観光局、スイス政府観光局はこのほど、共同で観光セミナーを開催した。協力関係にある3ヶ国はこれまでにも日本で共同セミナーなどを実施しており、今回のセミナーにはルフトハンザ・グループとレイルヨーロッパも参加。開会にあたり、ドイツ観光局アジア・オーストラリア地区統括局長の西山晃氏は「あらためてこの3ヶ国を認識していただき、新しいプロダクトの造成と販売、ブッキングの増加を期待している」と挨拶した。

 スイス政府観光局日本支局長のファビアン・クレール氏は2018年の夏のテーマ「NATURE WANTS YOU BACK-自然への回帰」をアピール。昨年に続くテーマで、今年は特にアクティブに大自然を満喫する自転車の旅に焦点を当てていることを説明した。自転車のタイプ、好みのルート、自転車旅行者向けのサービスを有するホテルを自由に組み合わせられるオンライン・パッケージ商品を提供するとともに、サイクリングを満喫するための情報を発信していくという。また、都市旅行のテーマ「Through the eyes of a local-ローカルの目線」についても紹介した。

 オーストリア観光局からはマーケティング担当の福田明子氏が登壇。17年の日本人観光客が前年比0.2%減の20万8248人、泊数は1%増の43万1597泊で平均宿泊数は2.1泊だったことを報告。日本人の宿泊数は全体の60.9%がウィーンに集中し、次がザルツブルクの13.9%、チロルの8.8%と続いたことを伝えた。ウィーンについては、ユネスコ無形文化遺産に新たにウィーン少年合唱団とウィンナー・ワルツが登録されたことを説明。また、今年はクリムト、シーレ、ワーグナー、モーザーなどが没後100年ということもあり「世紀末アート」をテーマに各地で特別展が開催されていることもアピールした。

ワークショップの様子  ドイツ観光局マネージャー・マーケティング&セールスの高尾舞弓氏は、日本人宿泊数の推移を報告。昨年は12年以来のプラスに転じ、前年比10.7%増の114万6660泊となったことを伝えた。パッケージツアーを造成している旅行会社20社に独自に調査した結果では、夏冬ともにローテンブルク、ミュンヘン、フランクフルトの人気が高いという。

 JATA「ヨーロッパの美しい街道・道20選」にも選ばれている「黒い森高原街道」については「ロマンチック街道に次ぐ大きな街道として売り出したい」とアピール。一番のハイライトとしてはホーエンツォレルン城を挙げ、ヴータッハ渓谷機関車などの機関車もアトラクションとして推薦した。18年のテーマ「ドイツのグルメ」に関しては、4月から10月まで各地で開催されているワイン祭りを紹介した。

 ルフトハンザ・グループのアカウントマネージャーの稲葉泰樹氏は、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、オーストリア航空(OS)、スイスインターナショナルエアラインズ(LX)の最新情報を説明。B777-9X型機に導入に伴い、20年以降のLHのビジネスクラスは最長2.2メートルのフルフラットシートとなるほか、機内エンターテイメントなど座席に関連するすべての機能を搭乗者の個人デバイスから操作できるようになるという。

 レイルヨーロッパジャパン在日代表の加々美恵理氏はドイツ、オーストリア、スイスの鉄道の新たな変更点を案内。また、6月にはドイツとチェコを結ぶ高速線ができることも伝え、「今年はドイツの新幹線のネットワークが整い、変化していく」と強調した。