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日観振とトリップアドバイザーが連携締結、地域誘客で協力

  • 2018年1月21日

(左から)久保氏、マシュー氏  日本観光振興協会(日観振)とトリップアドバイザーは1月19日、国内の各地域での観光振興に向けた取り組みについて、連携協定を締結した。「データ/コンテンツの提供」「人材教育での協力」「ケーススタディの共同創出」の3本柱で連携を進める。

 同日に開催した記者会見で、日観振理事長の久保成人氏は、訪日市場の現状について「毎年拡大を続けているが、外国人の訪問先は特定の地域に偏っている」との認識を示した上で、「地域にこそ日本の魅力がある。今回の連携でトリップアドバイザーの助けを借りながら、地域の観光情報を世界に向けて発信し、地域のマーケティングを支援していく」と話し、年間訪日外国人旅行者4000万人の達成に向けた地方誘客の重要性を指摘した。

 トリップアドバイザー・アジア太平洋地域デスティネーションマーケティング統括責任者のサラ・マシュー氏は、現在の口コミ数が5億7000万件、ユニークユーザー数は4億5500万人に上ることを説明。「我々の知見や情報を日本の各地域に提供するとともに、世界中で新しい旅を探している人たちに向けて情報を発信する。各地域の経済の活性化にも貢献できるだろう」と話し、今回の連携の意義を強調した。

 連携協定のうち「データ/コンテンツの提供」では、トリップアドバイザーが旅行に関するデータやコンテンツ、デスティネーションマーケティングのケーススタディなどの情報を提供。日観振がその情報に基づきニュースレーターを作成し、全国の会員697団体に年4回発信する。第1回は2月に配信する予定。

 人材教育では、セミナーや勉強会などを実施するとともに、日観振が主催するイベントなどでトリップアドバイザーから講師を迎える。まずは2月14日に福井県で日観振が主催する「観光立国タウンミーティング」で協力する予定。

 ケーススタディについては、特定地域を選定して、観光振興に向けた提案や支援をおこなう。最初の取り組みでは熊本県上天草市を取り上げ、3月までにトリップアドバイザーのウェブサイト上に登録されている上天草市の観光スポットを整理。観光振興に向けた目標を設定してプロモーション活動を展開する。