パナマ、旅行会社向けに初のセミナー、ミキと共催

  • 2017年12月13日

ディアス氏  駐日パナマ共和国大使館はこのほど、パナマ大使公邸で旅行会社向けのセミナーをミキ・ツーリストと共同で開催した。同大使館はこれまでも旅行会社などと協力し、消費者向けの旅行セミナーを開催してきたが、業界関係者向けのセミナーは初めて。中南米に関する取り組みを強化しているミキ・ツーリストとセミナーを開催することで、旅行会社における認知度の向上をめざす。同国特命全権大使のリッテル・ディアス氏は「旅行会社の皆様には、ぜひ日本人にパナマの魅力を広めていただきたい」と呼びかけた。

 同大使館によれば、パナマを訪れる外国人旅行者数は年々増加しており、2004年は約40万人だったところ、15年は230万1670人にまで増加。日本人については、ここ数年は4000人から5000人程度で推移しており、15年は前年比24.6%増の5422人だったという。

 ディアス氏は「パナマは旅行会社でもデスティネーションとして認知している人が少ない。まずは観光地として知ってもらいたい」と語るとともに、「可能であれば日本人旅行者を1万人にまで増やしたい」と意欲を述べた。今後は旅行会社向けセミナーなどで情報を提供するとともに「ツーリズムEXPOジャパン」などのイベントにも参加する。

 日本市場に対しては、パナマ運河に加えて自然や先住民の文化などをアピールする方針。自然については、コイバ国立公園とコイバ島周辺の美しい海や、コスタリカと共同管理しているアミスター国立公園など、世界自然遺産に選ばれた国立公園を訴求する。

 同氏は「パナマは治安が悪いというイメージがある」と述べながらも、世界経済フォーラムの17年の「安全・セキュリティランキング」では79位となり、日本市場においてパナマより人気の高い多くのデスティネーションに比べて上位にランクインしていることを強調。「テロ事件は発生しておらず、観光警察も配備されている。実際に来ていただければ治安がよく、安全に観光できることがわかるはず」と訴えた。

 現在は日本/パナマ間の直行便はないため、日本からの旅行者は米国やメキシコなどを経由して訪問することになる。本誌の取材に応えたディアス氏は、これまで全日空(NH)などにパナマへの直行便就航を働きかけたことを説明した上で、「機材の性能上の問題でノンストップの直行便は難しいが、経由便でも良いので就航してほしい」と語り、働きかけを継続する考えを示した。

青木氏  セミナーではミキ・ツーリスト主催営業部デスティネーション開発課の青木亮氏が「世界遺産」「先住民」「自然・動物」「パナマ運河をいろいろな角度から見る」をテーマにモデルコースを紹介。4日間から6日間までのコースで、アミスター国立公園でのハイキング、サンブラス諸島の先住民の村の訪問、パナマシティの「生物多様性博物館」の見学、パナマ運河クルーズなどをアピールした。同氏は「パナマシティから日帰りできる観光地が多いので、日程に合わせてツアーを造成できる」と旅行会社に訴えた。