島根・有福温泉「樋口」の経営会社が破産開始、負債4億円

  • 2017年11月15日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、島根県江津市の有福温泉で老舗旅館「樋口」を経営していた有福観光はこのほど、松江地方裁判所浜田支部から破産開始決定を受けた。負債総額は3億9903万円。業況不振から今年3月には従業員を解雇し、事業を停止していた。

 有福観光は1955年に設立。有福温泉は「美人・美肌の湯」として知られ、ピーク時の年間来訪者数は約30万人に上ったが、近年は減少傾向にあった。そのような状況のなか、同社は2006年12月期に「隠れ家」をコンセプトとする大規模リニューアルを実施。団体客主体から個人客主体の営業スタイルに転換して宿泊者を増やしたが、その後は10年に近隣で火災が発生し、13年には島根県西部豪雨の影響を受けるなど、不運が続いていた。