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DMOの「連携」とは―大阪でフォーラム開催(1) 地域商社×DMOで稼ぐ体制を

 「DMOフォーラム2017」が来年1月にかけて全国6カ所で開かれる。その口火を切る大阪開催が10月10日、大阪市北区の大阪大学中之島センターで開かれ、関西のDMOや観光協会、自治体などから約120人がDMOの現状やあり方、課題を探った。

 フォーラムはDMO推進機構、事業構想大学院大学の主催。大阪会場は関西観光本部も加わった。行政区に関わらない横の連携、都道府県や市町村にまたがる縦の連携といった「連携」の重要性をキーワードに、DMOへの原点からの理解を促そうと企画した。

 基調講演は同機構代表理事の大社充さんが「DMOが抱える課題の整理・解説」を演題に話した。発地主導から地域主導へ、地域一体での観光まちづくりに移行してきた観光振興の変遷を背景に、DMOの意義や求められる役割を解説した。

 大社さんは、観光による地方創生は雇用や適切な賃金の設定などまちを発展させる手段と強調。そのために原材料など地域内調達率のアップなど域外資金の流入を地域にどれだけもたらすかという「地域経営の観点」が重要だと力説した。

 ただ、観光振興の主役は地域となったものの、他産業も含めた地域一体の連動、集客ノウハウの不足、PDCAサイクルの未循環など地域は課題を抱える。

 なかでもマーケティングデータの圧倒的な不足を問題とし「地域における『観光決算書』が必要。まずはデータを取得し現状把握してから戦略を策定するなど、取り組みが成果に結びつく仕組みをつくるべき」と、DMOによる推進体制の強化を訴えた。

 また、地域が自立するためには物品販売や流通促進を担う「地域商社」が必要とも。観光集客や地域経営を役割とするDMO自体は「稼ぐものではない」と断言し、この2つを地域全体としての仕組みとしてもつことで稼げる体制をつくるべきだと提言した。


情報提供:トラベルニュース社