福島の叶屋旅館が破産開始決定、負債4億円-震災関連

  • 2017年10月4日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、福島県喜多方市の叶屋旅館は9月22日、福島地方裁判所会津若松支部から破産開始決定を受けた。負債総額は約4億600万円。

 同旅館は江戸時代に米沢街道の旅籠として創業。会社設立は1963年で、熱塩温泉では中堅クラスの旅館として営業していた。93年には旅館の全面改装を実施し、その効果もあり翌年には約2億円を売り上げた。

 しかし、それ以降は景気低迷や同業者との競合などから減収傾向となり、設備投資の負担から赤字が継続。2011年の東日本大震災では直接的な被害こそなかったが、原発事故による風評被害で苦戦を強いられ、15年8月期には年間売上高が約4300万円にまで落ち込んだ。

 その後は東京電力からの賠償金収入があったものの、過去の赤字を抱えて厳しい資金繰りが続き、16年8月期の売上高は約3600万円にまで低迷。先行きの見通しが立たないことから今回の措置となった。