広島「Hotel Flex」の経営会社が特別清算、負債約9億円

  • 2017年8月6日

 東京商工リサーチによると、広島市中区で「Hotel Flex」を経営していたよしかわ(旧商号:吉川(きっかわ)旅館)は7月21日、広島地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。負債総額は2016年9月期の決算時点で約8億9100万円。

 同社は「吉川旅館」として1872年に創業。名称は創業者の先祖である毛利元就の次男の吉川元春にちなんだもので、1953年の会社設立を経て、94年には10階建てのホテルを新築し、屋号を「Hotel Flex」に変更した。広島駅から徒歩7分の立地を活かして、ピーク時には年間で3億円台の売上高を計上した。

 しかし近年は競合激化や景気低迷を受けて、年間の売上高は約1億円で推移。債務超過に陥り、設備投資による借入負担も重いことから、金融機関に返済条件の変更などを要請していたが、昨年には近隣に全国チェーンのホテルが新築され、競合は一層激化した。

 その結果、17年4月には会社分割により、新会社の「きっかわ」にホテル事業を承継するとともに、株主総会の決議により解散。6月には商号を「吉川旅館」から「よしかわ」に変更し、今回の措置となった。なお、「Hotel Flex」は通常通りの営業を継続している。