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ボーダーツーリズム推進協が設立総会-ファン1万人獲得へ

▽9月にはツーリズムEXPOでセミナー、対馬旅行も

総会の様子  JBTAの現在の正会員数は、民間企業・自治体などの「正会員A」が15団体、発起人や個人から成る「正会員B」が15名。民間企業はANAセールスやビッグホリデーなどの旅行会社、博多/釜山間で高速旅客船「ビートル」を運航するJR九州高速船などの交通機関、稚内グランドホテルなどの宿泊施設などに加えて、ニッポンレンタカーサービスなどが参加する。研究機関は九州経済調査協会、ANA総合研究所、大学の研究所など、自治体は長崎県の五島市や対馬市などが加盟。事務局はビッグホリデーが務める。

 今年度は、まずは9月22日に「ツーリズムEXPOジャパン2017」の会場で、日本旅行業協会(JATA)の協力のもとセミナーを開催する。11月には対馬市で、JBTAとも緊密に連携する「境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)」との共同セミナーも開催。JR九州高速船の「ビートル」にも試乗し、実際にボーダーツーリズムを体験する。そのほか来年1月には、ボーダーツーリズム商品の紹介を目的とするセミナーを都内や主要都市で開催する。

岩下氏 本誌の取材に応えた伊豆氏はJBTAの当面の目標として、会費を徴収しない無料の個人会員である「ボーダーツーリスト会員」を1万人集め、同会とボーダーツーリズムの認知度を向上させる考えを示した。会員登録はすでにオープンしているJBTAのウェブサイトで受け付け、会員には定期的にメールマガジンを配信する。

 この品の総会後には記念セミナーを開催し、理事を務める北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター境界研究ユニット教授の岩下明裕氏が、「ボーダーツーリズム・『さいはて』が出発地~旅の新しいかたちをめざして~」と題した講演を実施。これまでのJIBSNの活動や、自身が副理事長を務めるNPOの国境地域研究センター(JCBS)が主催した対馬と釜山へのモニターツアーなどを紹介した。

大泉氏  同じく理事を務める、ウェブサイトの制作や観光戦略立案などを手がけるトラベルジップの代表取締役の大泉敏郎氏は「特定のテーマに興味のある観光客の集客とリピーター化のポイント」と題した講演で、「マニアックな商品を売るには、マニアックな人に届ければいい」と強調。ANAセールスに勤務していた頃には一般紙には広告を掲載せず、釣り新聞や陶芸専門誌などを介して特定のファン層にアプローチしていたエピソードなどを披露した。