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17年上半期の宿泊業倒産は7件増の47件、負債計237億円

  • 2017年7月11日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2017年度上半期(1月~6月)における負債総額1000万円以上の宿泊業の倒産件数は、前年比7件増の47件となった。負債総額は25億5200万円減の236億8900万円。東日本大震災関連の倒産は3件だった。

 昨年と同様に、宿泊事業を別会社に譲渡した上で、本体企業を特別清算や破産などで法的整理するケースが多く、負債総額の上位5社中4社が該当した。事業再生ファンドやコンサルティング会社が関与し、ホテルや旅館の建物を再生企業が落札して業務を引き継ぐケースも目立ったという。

 最も負債総額が大きかったのは、3月31日に破産開始決定を受けた長崎県雲仙市の東洋館の37億円。ホテルの運営は土地と建物を所有する、同市のFive Innovationが継続している。

 6月単月の宿泊業の倒産件数は3件増の10件で、負債総額は6億5800万円増の21億4000万円だった。東日本大震災関連の倒産は0件だった。

 主な倒産としては、北海道野付郡のプラザ観光が負債総額6億300万円で破産開始決定を受けた。同社は1977年に創業し、結婚式場を併設したホテル、回転寿司店、居酒屋などを運営していたが、個人消費の低迷の影響などで利用者数が伸び悩み、15年12月期の売上高は1億8291億円にまで減少し、その後も業績は回復しなかったという。

 なお、17年上半期の旅行業の倒産件数は1件増の15件で、負債総額は177億5100万円増の202億2000万円。6月単月の倒産件数は前年と同じ3件で、負債総額は1億5900万円増の4億2500万円だった。旅行業の詳細は別途記載(下記関連記事)。