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豪州、70万人へ一致団結、日本市場再評価の動きも

  • 2017年5月24日

さらなる路線誘致へ加速
日本向け予算増も

▽ノーザンテリトリー政府観光局
中村滋氏(日本事務所トラベルトレードマーケティング担当ディレクター)

ノーザンテリトリー政府観光局の中村氏 中村氏によると、ノーザンテリトリーへの日本人訪問者数は、統計上は2%から3%程度の伸びに留まっているが、日本人を多く扱うサプライヤーからは10%から20%の伸びを記録しているとの声が届いているところ。もちろん、国際線が増えても国内線はさほど変わらず、ウルル周辺の客室も不足気味であり、全体ほどは伸びないという事情はあるものの、中村氏は「2割程度は伸びている」と分析する。

 直近でのトピックとして、ウルル周辺をライトアップする「フィールドオブライト」が、16年4月から17年3月末までの期間で開催され、さらに1年の延長が決定。同イベントによって国内旅行需要が喚起されさらにホテルや座席の確保に影響が出ているが、日本からの送客も旅行会社と協力して取り組む方針。

 また、引き続きダーウィンなどトップエンドやアリススプリングス、キングスキャニオンなどの送客も強化。市場全体の盛り上がりを受けて旅行会社側の認知度や興味が高まっており、商品化も徐々に進んで、さらに数は少ないもののインセンティブツアーも受け入れ始めているという。


▽南オーストラリア州政府観光局
マイケル・シーリガー氏(東半球担当シニアマネージャー)

南オーストラリア州政府観光局のシーリガー氏 タスマニアと並んで日本市場に対する活動を凍結している南オーストラリアだが、シーリガー氏によると、日本市場の急回復もあり、来年に予定される選挙結果によっては判断が変わる可能性がある。

 直近では、大手旅行会社がカンガルー島の商品を増加。また、ATEでも日本市場関係者との商談が増えているという。シーリガー氏は、「バロッサバレーの高品質なワインなど、南オーストラリアが提供できる体験やプロダクトは日本市場に非常にマッチしている」とし、日本での活動再開を切望していると語った。

 なお、2018年のATE開催地がアデレードとなる可能性があり、実現すれば日本市場のバイヤーも同州を訪れる良い機会となる。


▽タスマニア州政府観光局
カイリー・リアドン氏(インターナショナル・マーケティング担当)

タスマニア州政府観光局のリアドン氏 16年の日本人訪問者数は8600人で38%増ながら、もともとの数が大きくないためカルドン氏は静観の様子。とはいえ、他市場に比べて滞在時間が長く、観光消費額も大きい日本は「大変重要な市場」で、今後もTAと連携して可能な範囲の情報発信などを続ける方針だ。

 リアドン氏は、「ファーストタイマーがケアンズやシドニー、ウルル、ゴールドコーストをめざすのは間違いなく、タスマニアは2回目か3回目のデスティネーションで良い」とポジショニングの考え方を説明。

 また、「サムシングディファレント、サムシングユニーク」を求める旅行者には最適なデスティネーションとしてもアピール。良質なウィスキーの生産で世界から注目を集めるようになってきているほか、オーストラリアのゴルフ専門誌による「トップ100ゴルフコース」で、上位4位がタスマニアのコースとなるなど、SIT向けの素材も揃っているという。