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観光庁、スノーリゾート検討会が最終報告書、経営力の向上など

  • 2017年5月15日

 観光庁はこのほど、有識者からなる「スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会」による最終報告書を公表した。2015年1月の設置以来、6回の会合を開催して取りまとめたもので、国内のスノーリゾート地域の現状や課題、国内外の事例などを踏まえ、今後の活性化に向けた取り組みの方向性などを示したもの。検討会の下に設置した2つのワーキンググループで各3回の議論をおこない、取りまとめに向けてはニセコ、白馬、蔵王などの視察も実施したという。

 報告書は主に「スノーリゾート地域の経営力の向上」「訪日外国人旅行者の誘客の対応」「国内からの来訪者の増加に向けての対応」「安全・安心の確保」「関係者の連携強化、アクションプログラムの策定・実施等」「モデル事業の実施」の6項目で構成。このうち地域の経営力の向上については、日本版DMOの形成促進や通年経営を含む継続的な事業について検討すべきとした。

 外国人旅行者の誘客については、外国人目線による滞在コンテンツの拡充や受入環境の整備などを提案。国内からの来訪者の増加については、子供、若者、高齢者をターゲットにスノースポーツ人口の拡大などに努めるべきとした。

 安全・安心の確保については、スキー場内外の安全管理やツアーバスの安全確保などの重要性について指摘。関係者の連携強化については情報共有や意見交換のための連絡会議の設置を、アクションプログラムについては包括的なものを策定し、政府の掲げる観光戦略との整合をとりながら、官民の関係者が適切に役割分担と協力をして取り組むことを求めた。

 モデル事業についてはスキー場の規模を踏まえ、全国の数ヶ所のスキー場で、関係省庁や地方自治体、民間事業者などと一体で実施する必要性を強調。大規模なスキー場では、周辺地域も含め外国人から国内客まで多様なニーズに対応できるよう、スノースポーツに加えてナイトライフの充実などにも取り組むべきとした。また、中小規模のスキー場では自然や食などスキー以外の要素の充実と、共通リフト券の発行など近隣のスキー場同士の連携を求めた。