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函館「竹葉新葉亭」の元運営会社が特別清算開始、負債3億円

  • 2017年4月5日

 東京商工リサーチによると、函館市の湯の川温泉で1949年から続く老舗高級旅館「竹葉新葉亭」の元運営会社である湯ノ川は、3月21日に東京地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約3億円。

 同社は85年3月に、旅館と同名の竹葉新葉亭として設立。ピークの99年12月期には7億1000万円の売上高を計上したが、以降は競争の激化などにより客単価の低下や顧客離れが進み、売上高も減少。設備投資のための借入金の返済も負担となっていた。

 その後は北海道拓殖銀行の経営破綻により、金融債務を整理回収機構に移管。地元の財界人などの支援を受けて再建をはかったが経営状況は改善しなかった。2008年2月からは「北海道中小企業再生支援協議会再生プログラム」を利用して、地元企業による出資や金融債務の減免などを受けたが、リーマンショックや東日本大震災の影響などにより充分な集客には至らず、2度目の再建計画も頓挫した。

 16年3月には会社分割により、同名の新会社として「竹葉新葉亭」を設立し、事業の大半を同社に移管するとともに、旧会社は商号を「湯の川」に変更。同年8月31日の株主総会の決議により解散し、12月20日には登記上の本社を東京都に移転して清算に向けた準備を進めていた。

 なお、旅館は現在も新会社のもとで営業を継続している。