JTB、ICTベンチャー育成ファンドに出資、事業開拓へ

  • 2016年12月11日

 ジェイティービー(JTB)は12月9日、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイン(GB)が新たに運営するファンド「グローバル・ブレイン6号投資事業有限責任組合」に出資することを発表した。同ファンドは2020年の東京オリンピック開催に向けて、観光産業の競争力強化などの「社会課題解決に貢献できるビジネス」の構築をめざすもの。

 JTBはGBに専属のキャピタリストを配し、相乗効果が期待できる有望なベンチャー企業を発掘。国内外の有望なICTベンチャー企業の支援をめざす同ファンドに戦略的に投資することで、将来的にはこれらの企業と提携・協業し、事業開拓をはかる。ファンドにはクールジャパン機構なども出資し、GBによれば運用総額は200億円程度で、運用年数は2026年11月末までの10年間。JTBは出資額について発表していない。

 同ファンドの投資対象は「観光・インバウンド関連」「健康・生活支援サービス関連」「B2B・エンタープライズサービス関連」に関する、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、FinTech、ウェアラブル、シェアリング、クラウドサービス、アナリティクスなどの最新技術やサービス。地域は日本・北米・アジア諸国を中心としながらも、グローバルに投資する。

 JTBは出資に際して、主な「社会課題解決型事業」として「観光ICT事業」「地域包括ケア推進事業」「地場産業支援事業」の3つを掲げる。このうち「観光ICT事業」では、持続的かつ安定的な入域客の確保に対して「AR・VRを活用したプロモーション」「FinTechを活用した決済サービス」「IoT技術やSNSを活用した情報サービス」などを提供できるプラットフォームを構築。観光による地域活性化に取り組む。

 「地域包括ケア推進事業」については、少子高齢化や世帯の単身化に対して、「介護保険外の生活支援サービス」「ICTを活用した健康管理・支援」「地域資源を活用したコミュニティづくり」などに取り組み、「住み慣れた地域で快適に暮らせる地域づくり」をめざす。

 「地場産業支援事業」では、地場産業の空洞化などに対して「ECを活用した販路拡大支援」「クラウドサービスを活用した雇用創出」「クラウドファンディングを活用した経営支援」などのためのプラットフォームを構築。「地場産業の活性化」に取り組むという。