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週間ランキング、1位は顧客満足度、「トランプ大統領」も

[総評] 今週の1位は、サービス産業生産性協議会による顧客満足度調査でした。昨年はなぜか取り上げそこねてしまったようですが、旅行会社や航空会社がランク付けされることもあってか例年人気のコンテンツです。

 満足度は、期待値に対して得られた(と感じる)価値など様々な要素で成り立っていますが、今年の旅行会社部門ではジャルパックが2年連続で1位を達成しました。昨年はジェイティービー(JTB)と同点1位であったようですが今年は単独での達成です。

 個人的には調査対象が13社だけというのが非常に残念で興味も半減してしまうのですが、毎年結構な順位の変動があるのはおもしろく感じます。過去にはネット系旅行会社が多く上位に入ることもありましたが今回は一休.comが気を吐いた程度で、全体的には「リアルエージェント」に軍配が上がりました。また、ジャルパックとANAセールスという航空系2社に評価が集まっている点もユニークです。

 こうした傾向の理由が分かれば色々と参考になりそうなのですが、どのような質問でどう評価されたかは公表されていません。協議会として販売されているデータですので仕方ないのでしょうけれども、これまた残念です。

 さて、今週はこのほかにも色々な記事を掲載しましたが、世の中にとって最大のニュースは米大統領選の結果でしょう。ヒラリー・クリントン氏が勝つという大方の予想を裏切ってドナルド・トランプ氏が勝利を収めており、これまでのエキセントリックな言動から、旅行業界にも影響が出るのではないかと懸念されています。

 トラベルビジョンでも、ランキング上は10位とさほど伸びなかったものの、手に入る範囲の情報をまとめて掲載しました。その中でご紹介しているワンクリックアンケートはその後、総数が295件に増え、内訳は「悪い影響」が48.5%、「どちらともいえない」が41.7%、「良い影響」が9.8%となりました(11日17時現在)。

 勝利が決まったとたんにおとなしくなったなどと変節も伝えられており、未来のことは誰にも分からないわけですから「どちらともいえない」が正解なのでしょうけれども、悪い影響が選ばれる理由は十分に理解できます。個人的にも、クリントン氏であったら良かったのかと聞かれれば答えに窮するものの、知性の敗北とでもいいたくなるような状況で、唖然とする気持ちと憂鬱さがないまぜになった奇妙な心理状態です。

 先日の英国のEU離脱もそうでしたが、「いくらなんでも」が通用しない世の中になっている、というのが率直な印象で、いつからかフィクションの世界に迷い込んでしまったような気すらします。アルマゲドンとかけた「トランパゲドン(trumpaggedon)」なる言葉もあるようですが、気分としては言い得て妙、と感じます。

 これが良質なフィクションであれば、ここからがトランプ氏の腕の見せ所で、威勢の良さはそのままに清濁併せ呑む姿勢で物事を変革し、議会や役所に潜む悪党を根絶やしにし、米国だけでなく世界をより良い方向に導いてくれるところでしょう。そんな可能性も十分にあるのではないかと思えてしまうような「まさか」が起き続ける現代ですので、まずは予断しないことを自らに戒めたいと思います。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年11月04日0時~11月11日16時)
第1位
顧客満足度、旅行1位は今年もジャルパック、国際線はSQ(16/11/08)

第2位
ニュージーランド航空、関空線を再開、搭乗率80%台めざす(16/11/07)

第3位
インタビュー:日本旅行・グローバルビジネストラベル社長の内山氏(16/11/08)

第4位
旅行業が求める人材とは?JATAが学生向けセミナー、EXPO会場で(16/11/08)

第5位
エールフランス、新航空会社を立ち上げ、中東系などに対抗(16/11/06)

第6位
中部、複合商業施設の概要を発表、B787を丸ごと展示-18年夏開業(16/11/09)

第7位
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第8位
日光にリッツ・カールトン、20年開業へ-東武がマリオットと契約(16/11/07)

第9位
Booking.com、旅行会社向けに新サービス、予約管理機能など(16/11/09)

第10位
「トランプ大統領」決定、市場への影響懸念、期待感も(16/11/10)