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HISが経営体制再編、澤田氏が会長兼社長に、「攻めのガバナンス」へ

  • 2016年10月28日

▽組織も変更、「連結グループ管理本部」など新設-旅行事業は「H.I.S.JAPAN」と「H.I.S.訪日」に

 組織体制も変更し、現行の事業持株会社の枠組みは維持しつつ、純粋持株会社の機能をできる限り採用し、仮想的に純粋持株会社制度を導入。これにより、事業部門やグループ各社を現在と今後の事業領域ごとに分類し、全体と個別領域ごとの意思決定のスピードや透明性を向上。経営の求心力確保や、次代の経営執行者の育成も視野に置く。

 具体的には、機能別にコーポレート部門と旅行事業部門に大別。コーポレート部門は、人事や労務、経理、財務、総務、IT、内部監査などを担うほか、M&A本部もコーポレート部門内に新設する。

 また、コーポレート部門は澤田氏、平林氏、楠原氏、中森氏、中谷氏、坂口氏をメンバーとして新たに立ち上げる「連結グループ管理本部」が統括。グループ全体のシナジー効果を最適化するべく、投資の選択と集中や事業部門間の調整の機能も担う。

 一方、旅行事業部門では、日本市場での海外旅行と国内旅行を「H.I.S.JAPAN」、インバウンド事業を「H.I.S.訪日事業部門」として、カンパニー制のカンパニーに準じた位置付けとする。

 これら2つの準カンパニーと、「グローバルオンライン事業」や国内の旅行事業子会社、海外の関係会社、そしてテーマパークや電力、ロボット、ホテル、航空運送、損害保険などの各事業部門を対象に、グループ戦略などの策定を担う「連結グループ戦略会議」も設置する。同会議は、先述の「連結グループ管理本部」が主宰する。

 各事業部門の執行責任者は、業務執行取締役または執行役員、ないし現在その部門で事業を展開している会社の代表取締役社長が務める。

 なお、28日15時からはHIS本社で記者会見を開催し、澤田氏と平林氏が新体制について説明する予定だ。

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