宮城・鳴子温泉の大正舘が破産開始、負債総額1.9億円

  • 2016年10月16日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、宮城県の鳴子温泉にある温泉旅館「大正舘」が9月29日、仙台地方裁判所古川支部から破産開始決定を受けた。負債総額は債権者10名に対し、1億9000万円。

 大正舘は1913年に創業した老舗旅館。客室数は13室で日本料理技能向上全国大会で農林水産大臣賞を受賞した料理長が提供する会席料理などに定評があった。しかし、リーマンショックや東日本大震災などの影響で集客が鈍化。鳴子温泉全体の施設の老朽化による需要の低迷や、大手資本の参入によるサービスや価格の競争激化などにより、業績が悪化したという。

 こうした状況のなかで、同社は15年6月に宿泊営業を停止し、「きっさ大正舘」として珈琲や手作りケーキなどを観光客向けに提供する喫茶店に営業形態を変更。しかし、抜本的な改善には至らず今回の措置となった。