オランダ、17年は「美しい村」など訴求、国内周遊を提案

  • 2016年9月29日

セールスミッションにはファン・ゴッホ美術館、マウリッツハウス美術館、陶器メーカーのロイヤルデルフト、スキポール空港公団が参加  オランダ政府観光局は先ごろ、本国からのセールスミッションの来日に伴い都内でレセプションを開催した。同局日本地区局長の中川晴恵氏は、ここ数年はアムステルダム以外の地域やチューリップ以外の観光素材のアピールに注力していることを説明し、「あまり知られていなかった町や村を積極的にプロモーションしていきたい」と意欲を語った。

 中川氏は、今後は日本旅行業協会(JATA)のTeam EUROPE 観光促進協議会(チーム・ヨーロッパ)が2015年に選定した「美しい村30選」で選ばれた北部のヒンデローペンや、18年の欧州文化首都であるレーワルデンを訴求し、国内における周遊ツアーを提案する考えを説明。オランダはベルギーと組み合わせたツアーが多いものの、今年3月のブリュッセルでのテロ事件以降はモノツアーが増加しており、北部を訪問する新たなツアーなど「今までになかった商品が出てきた」という。このほか、10月から12月まで東京都美術館で開催される「ゴッホ・ゴーギャン展」をフックに、オランダの美術もアピールする。

中川氏  同観光局によれば、15年のオランダへの日本人訪問者数は13万8000人で、今年1月から5月までの累計は13%減の4万6000人。主要な観光シーズンの春に旅行会社が欧州ツアーの新聞広告を減らしたことなどから2桁減となっている。中川氏は「欧州でテロ事件が続き、観光需要が減少している状況を考えれば、想定よりは悪くない数字」との見方を示した上で、現在は訪問者数が回復つつあることを伝え、「通年では10%減ぐらいにまで回復できれば」と語った。