ウィラー、台湾のバス会社と協働、第1弾は日本人向けツアー

  • 2016年9月14日

(左から)ウィラーアライアンスの村瀬氏、國光汽車客運の呉氏  ウィラーグループは9月13日、台湾のバス会社の國光汽車客運(國光)との協働による、訪台日本人および訪日台湾人向けの高速バスサービスの提供を開始した。同グループでは高速バス予約サイトの運営などをおこなうウィラートラベルが2011年に國光と事業提携を開始し、國光が運行するバスの乗り放題券「King Pass」を販売しているところ。新たな協働では第1弾として、訪台FIT向けに共同開発したバスツアーなどをウィラートラベルのウェブサイト上で販売し、16年内に1000人、17年に1万人の取り扱いをめざす。10月中旬には第2弾として、訪日台湾人向けに国内バスツアーの提供を開始する。

 13日に開催した記者発表会で、ウィラーグループを統括管理するウィラーアライアンス代表取締役の村瀬茂高氏は、これまでの國光との取り組みを振り返り「LCCが多く飛ぶようになり、安価で簡単に海外に行けるようになったが、提携開始当時は(高速バスを訴求するには)早すぎた」と説明。その上で今回の新たなサービスについては「LCCの拡大で『国内旅行のように気軽に行ける海外旅行』が広まっているのを機に、高速バスを使った新しい旅行スタイルを作っていきたい」と意気込みを示した。

 國光は01年に国営の台湾汽車客運が民営化したバス会社で、約1200台の車両を保有し97路線を運行。国内に20ヶ所のターミナル、40軒のチケット売り場を持つ。同社の副会長を務める呉定發(ウー・ディンファ)氏は今回の協働について謝意を表明するとともに、「日本人旅行者にサービスを提供する上で、互いに協力していきたい」と意欲を述べた。

 今後、ウィラーグループと國光は「国内旅行感覚で海外旅行を楽しむ若い女性」をメインターゲットに、都心の有名な観光地を巡るだけでなく、高速バスを使って地方都市を訪れる「よりディープな旅」を訴求する。まずはウィラートラベルのウェブサイト上で、九フン・宜蘭・阿里山を訪れる日帰りバスツアーを各1コースと、日月潭を訪れる1泊2日のバスツアー1コースを販売。ツアーの種類は順次拡充するという。

 さらに、國光が24時間運行する桃園国際空港と台北および台中を結ぶ空港バスの乗車券を販売。運賃は桃園/台北間が往復1000円、台中間が往復1800円で、乗車券は空港のカウンターで受け取る。また、台湾で使用できるオリジナルデザインのICカード乗車券を、桃園空港と台北駅にある國光のカウンターで販売する。

 両者は旅行者が直面する「交通機関の分かりにくさ」や「言葉の壁」に対応するサービスも実施。國光はバス内で日本語の車内アナウンスを開始する予定で、まずは空港バスなどウィラートラベルが販売する路線で実施。その後、全路線に拡大する予定だ。そのほか、提示すると目的地に着いた際に乗務員が教えてくれる「降車カード」や、バスの乗り場や乗車方法などを紹介する「旅のしおり」も用意。日本語で対応するカスタマーサポートセンターも設けた。