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富山、秋の体験型プログラム開始、旅行会社に提案

  • 2016年9月7日

説明会に出席した関係者と観光大使。左端が荻浦氏、右から2番目が木股氏  富山県は9月1日、県内14市町が参画する体験型観光プログラム「大人の遊び、33の富山旅」の秋のプログラムの提供を開始した。同プログラムは2013年に開始したもので、旅行消費額の拡大や滞在期間の延長がねらい。プログラムは毎年の春と秋に刷新しており、今回が7回目の発表となる。

 今回の「33の富山旅」は、県の観光連盟であるとやま観光推進機構と14市町が「大人の知的好奇心を満たす」をコンセプトに共同開発。「神秘の海 富山湾」「吃立する宗教文化」「魅惑のアーツ&クラフツ」など6つのテーマを掲げて紹介している。ハンドブックは首都圏、関西、東海、北陸で8万部を配布。秋の旅行シーズンに向け、富山県への観光客の誘致をめざす。

 このほど都内のアンテナショップ「日本橋とやま館」で開催した記者説明会で、富山県観光・地域振興局観光課主幹の荻浦明希子氏は「旅行会社にもプログラムの商品化を促し、恒常的なプログラムとして定着をはかりたい」と意気込みを示した。これまではプログラムの実施期間を3ヶ月間に限定していたが、今回は期限を設けず、商品化しやすくしたという。今後はるるぶトラベル、楽天トラベル、じゃらんnetなどとの連携を模索し、各社に特集ページの開設などを働きかける考えだ。

 プログラムの開発プランナーを務める木股浩氏はこれまでの活動を振り返り、「富山観光の課題の1つである、冬の誘客力につながっている」との見方を示した。「プログラムは旅行者がさまざまな形で体験できる」ことから、利用者数などの正確な実態は把握できないものの、効果は感じられるという。

 説明会ではそのほか、荻浦氏が15年3月に開業した北陸新幹線による経済効果の試算を報告。開業後1年間の入込客増と、開業に伴う投資や雇用などによる効果は421億円に上るという。