東京・丸の内で「くまもとフェスタ」、復興に向け「ぜひ旅行を」

  • 2016年8月28日

オープニングイベントの出席者による記念撮影  熊本商工会議所は8月25日に東京の丸ビルで、熊本県や熊本市などと「応援ありがとう!くまもとフェスタ in 東京・丸の内」を開催した。4月の地震に対する全国からの支援に対する感謝や、復興への意気込みを伝えるためのイベントで、会場では復興の様子を記録したパネルや観光パンフレットを展示したほか、熊本県の名産品を販売。そのほか「くまモン」や「熊本城おもてなし武将隊」によるショーや、震災前の熊本を舞台にした映画作品「うつくしいひと」のチャリティ上映を実施した。

 オープニングイベントには、熊本商工会議所副会頭の久我彰登氏、熊本県知事の蒲島郁夫氏、熊本市長の大西一史氏などが参加し、全国からの支援に感謝の意を表した。久我氏は会頭の田川憲生氏のメッセージを代読し、「地震による甚大な被害を受けた熊本の復興は険しい道のりだが、県民が一丸となって再生をめざしている」と挨拶。大西氏は「熊本市内に人の姿が増え、立ち直ろうとしている」と語り、蒲島知事は「ボランティアの一環として、ぜひ旅行で熊本を訪れてほしい」と呼びかけた。

 熊本県出身で財務副大臣の木原稔氏は、「東京では熊本地震は風化しつつあるが、こうしたイベントをきっかけにメディアで話題になることは望ましい」と挨拶。前日の24日には、政府が2016年度第2次補正予算案に、熊本地震の復旧・復興費用として4139億円を計上したことも報告した。

 オープニングイベントにはそのほか、熊本県出身のゲストが多数登場。「うつくしいひと」の監督を務めた行定勲さんをはじめ、野球選手の片岡安祐美さん、女優の宮崎美子さん、野球解説者の前田智徳さん、気象予報士の平井信行さん、お笑い芸人の井出らっきょさん、エスパー伊東さんらが出席し、故郷である熊本への想いを語った。

 内閣府によれば、地震による熊本県の被害総額は最大で3兆8000億円で、経済活動の低下による損失は1130億円。観光についてはピーク時に100万人以上の宿泊キャンセルが発生し、消費額は350億円減少したという。

 一方で同県は現在、九州観光推進機構による助成制度「九州ふっこう割」により、7月から9月にかけて熊本県を訪問する旅行商品が最大70%オフになることで、大きな注目を集めている。10月から12月にかけては割引率が下がるものの、熊本県東京事務所くまもとセールス課の吉村了介参事は「ハイシーズンなので期待したい」とコメント。外国人旅行者については熊本/ソウル(仁川)、香港線が今も運休中のため少ないものの「高雄線が運航しているほか、7月には中国からのクルーズ船も寄港している」ことから、今後の回復に期待がかかるという。