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不法民泊を撲滅-全旅連全国大会記念対談(3) 政治の決断に期待

-次に民泊問題です。

 北原 今回の全旅連全国大会では、多数の国会議員を招いて不法民泊撲滅総決起大会を開きます。民泊に対する国会議員の関心は低く、私が知る限り、国会論戦で取り上げられたのは、たった一度だけです。こうした状況を打破したいと思っています。

取り締まり徹底で撤退を

齊藤 ただ、地方議会を見た場合に、東京は都議会、区議会とも民泊についての関心は高い。東京の場合、FITを中心とする訪日客リピーターの増加が、民泊ニーズの理由だと見ています。2月25日に自民党観光立国調査会に所属する先生方を都内の簡宿の視察にお連れしました。28日の東京マラソンの直前でしたのが、視察したほぼ全室が台湾からの東京マラソン参加者で埋まっていました。これまで2月の東京は大学受験の宿泊需要が多かったのですが、今は前半が春節、後半が東京マラソンに参加する外国人客です。民泊じゃなくても、ホテル、旅館、簡宿など、いろんな業態に外国人旅行者が泊まっています。

 こうした状況もあって、東京は2016年が滞在型宿泊元年になると考えてきました。大手デベロッパーが大手町にハイエンドのサービスアパートメント棟を建設中ですし、民泊からサービスアパートメントまで、滞在型宿泊需要がかなり増えています。滞在して東京を楽しむ人が増えること自体は悪くない。

 ただ、法令を順守しない人たちには市場から退場していただきたい。不法民泊が増え続けているのは、ほとんど誰も捕まらないからです。だから、お小遣い稼ぎの感覚で不法民泊に手を出している人たちは、政治の決断で取り締まりを徹底すれば、撤退していきます。政治の決断に期待しています。

 北原 行政も安易には民泊を許さないという動きも出てきています。京都市は旅行者に対し、違法施設を利用しないようHPでアピールを始めました。東京の台東区も大田区も規制の方向ですね。民間では、大手不動産会社が分譲マンションで民泊を禁止するところも出てきています。あとは税務署や警察が連携してどこまでやるかです。

(トラベルニュースat 16年6月10日号)

(16/06/24)


情報提供:トラベルニュース社