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佐賀の観光ホテル元湯と関連企業が破産開始、負債12億円超

  • 2016年6月22日

 東京商工リサーチによると、佐賀県・嬉野温泉の観光ホテル元湯と関連企業の元湯温泉の2社は6月7日、佐賀地方裁判所武雄支部から破産開始決定を受けた。負債は観光ホテル元湯が債権者67名に対して7億750万円、元湯温泉は債権者9名に対して5億1690万円。2社合計では12億2440万円となった。

 観光ホテル元湯は大正時代に創業した老舗温泉旅館で、設立は1963年12月、資本金は1000万円。部屋数は展望家族風呂付きの特別室3室を含む和室22室で、立地条件に恵まれていたほか、98年には当時の人気テレビ番組「料理の鉄人」に料理長が出演して勝利し、知名度を高めていた。元湯温泉は観光ホテル元湯と同所に所在する関連企業で、設立は91年6月、資本金は300万円。

 観光ホテル元湯は、ピーク時の93年7月期には約7億1600万円の売上高を計上。2001年4月には本館をリニューアルして、名称を「名湯日本の宿 元湯」から「逢花の宿 元湯白珪」に変更した。しかし03年7月期以降は、景気低迷により嬉野への観光客が減少。近年の年間売上高は3億円程度にとどまり、収益性も悪化していた。また、設備投資に対する借入の返済負担も重荷となっていた。

 14年3月の佐賀県信用保証協会による代位弁済後は、同年12月に嬉野市から差し押さえを受け、本社不動産の不動産競売開始決定を受けるなど厳しい資金繰りが露呈。事業継続の見通しも立たないことから16年2月7日に事業を停止し、破産申請の準備に入っていた。元湯温泉も観光ホテル元湯に連鎖し、今回の破産開始決定となった。

※訂正案内(編集部 2016年06月28日10時10分)
・訂正箇所:第1段落第1文目
 情報提供元である東京商工リサーチの社名が抜けておりました。お詫びするとともに訂正いたします。