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関空、15年度は増収増益、旅客・発着回数が過去最高

  • 2016年5月24日

 新関西国際空港(新関空)は5月24日、2016年3月期(15年4月1日~16年3月31日)の連結決算を発表した。旺盛な訪日需要の取り込みなどにより、営業収益は前年比20.0%増の1845億6700万円、営業利益は34.0%増の592億9600万円、経常利益は43.2%増の476億800万円、当期純利益は50.1%増の294億1600万円の増収増益となった。営業収益と営業利益はともに過去最高を記録した。

 関空の営業収益は26%増の1438億2500万円。このうち、直営事業を営む商業事業は50%増の647億1000万円で、空港運営事業は12%増の746億2400万円となった。同社によれば、航空ネットワークの拡大などにより、アジア諸国からの訪日旅行者数が好調に推移し、商業分野でも免税や物販による売上が増加したという。営業利益は41%増の460億9600万円で、営業費用は20%増の977億2900万円だった。

 航空旅客数は20%増の2405万4000人で過去最高となった。内訳は、国際線が過去最高となる28%増の1727万人、国内線は4%増の678万人だった。貨物便を含む航空機発着回数と1日あたりの乗入便数も過去最高を記録。発着回数は中国路線の増便などが相次いだ結果、17%増の16万9000回に。1日あたりの乗入便数も、国際線が25%増の163.1便、国内線が前年並みの68.2便となり、合計は16%増の231.3便と2桁増加した。

 伊丹の営業収益は、運航機材の小型化などで着陸料の収入が減少した結果、2%減の135億3300万円に。このうち、商業事業は前年並みの13億9200万円、空港運営事業は2%減の121億4000万円となった。営業利益は8%増の72億1000万円。営業費用は滑走路の改修をおこなったことなどにより11%減の63億2200万円だった。

 また、貨物便を含む航空機発着回数は14万回、1日あたりの乗入便数は191.0便となり、ともに前年並み。旅客数も前年並みの1462万6000人だった。OAT(大阪国際空港ターミナル)グループについては、営業収益が26%増の473億6400万円、営業利益は30%増の60億5800万円となった。

 なお、新関空は4月1日、関空と伊丹の運営権をオリックスやフランスの空港運営大手ヴァンシ・エアポートが出資する「関西アポート」に移管したところ。そのため、来期の見通しは発表していない。