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ツアー商品独自の企画力で勝負-ホールセール特集(2)

  • 2016年3月29日

テロで需要減も、ヨーロッパ復活に向け積極展開
「安全・安心」に向けてツアー独自のサービス強化

各社が安定のハワイとアジアに注力、企画性を打ち出す

 ヨーロッパが落ち込みを見せるなか、各ホールセラーが強化しているのが、安定的な需要が見込めるハワイとアジアだ。JTBWVでは、ルックJTBの注目デスティネーションとしてハワイの隣島を挙げ、「ハワイアン・アイランズ」として単独パンフレットで展開。早期割引の拡充のほか、ホノルルから隣島へのフライトを選べるサービスを加えるなどして需要を喚起する。

 KNT個人では、今年で37回目となるKNTグループのイベント「まつりインハワイ」に関連した「5万人に祝福してもらうハワイウエディング」など独自性の高い商品をアピールしていく。

 東武トップツアーズは、新ブランド「Feel」でハワイの販売に注力。「これまではフリープランのみを設定していたが、今年からは観光を組み込んだ商品も用意した」(海外旅行部海外企画センター長の小奈園江氏)。「感じるハワイ6日間」では、6時間の自由行動中、1グループごとに現地の専属ガイド1名が希望する観光地などを案内する。こうした独自のサービスで訴求力を高める考えだ。

 ジャルパックでは、従来から大きな比重を占めるハワイをさらに強化。アニバーサリープランとして「クルーズチャータープラン」「レインボートロリーチャータープラン」「レストラン記念日プラン」の3種類を新設した。一部のコースでは、ワイキキビーチのサンセットを楽しめるブッフェスタイルのディナーも設けた。ANAセールスは、今年4月1日にワイキキ・ショッピングプラザ内に「マハロラウンジ」を開設し、ツアー参加者のオプショナルツアー手配などをサポートする。

 一方、日本旅行はアジアを強化。「企画性のあるコースを造成することで需要を取り込む」(阿部氏)という。東京発ではシニア向けの時間に余裕があるコース「悠遊紀行アジア」を新たに設定。また、ベトナム、カンボジア、台湾やビーチリゾートの販売を強化する。こうした取り組みを通じて、販売額のシェアを15年の17%から7ポイント増の24%に引き上げたい考えだ。

 さらに、ヨーロッパの減少を補うためにアメリカ方面に注力していく。添乗員同行ツアー専用のパンフレット「マストBUY」をはじめて造成したほか、ヨーロッパで人気の「感動の宝石箱シリーズ」をアメリカでも展開し、ハネムーンやカップル向けに訴求していく。