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仏プロヴァンス、オフ期の誘客強化、食やスポーツなど訴求

  • 2015年12月23日

(右から)プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方観光局総裁のベルナール・ジョソー氏、広報部長のスザンヌ・ズーン・ゼイラー氏 先ごろ、フランスからプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方観光局、アヴィニョン観光局、サン・トロペ観光局、マルセイユ観光会議局などから成る観光ミッション団が来日し、都内でプレス向けの昼食会を開催した。プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方観光局総裁のベルナール・ジョソー氏は本誌などのインタビューに応え、プロヴァンス地方のハイシーズンが7月と8月であることを説明した上で「5月や6月、9月、10月などのオフシーズンの送客を強化したい」と意気込みを示した。

 同氏はプロヴァンス地方について、気候が穏やかであること、国立自然公園やマルセイユなどの沿岸部をはじめとしたさまざまな自然が楽しめることなどを紹介。また、ワインやトリュフ、オリーブなどが名産品で、オーガニックな食材を使った料理を楽しめることに触れ、「日本市場に対し、料理などのライフスタイルを観光素材として訴求していきたい」と話した。

ミッションにはマルセイユのホテル「ソフィテル・ヴュー・ポール」の総料理長であるドミニク・フレラール氏(写真左)が同行し、プレス昼食会で料理を披露した 加えて、サイクリングやゴルフ、国立自然公園内でのトレッキングやハイキング、スキーや乗馬、ゴルフ、ラフティングなどのアクティビティも訴求していく。さらに、同氏はローヌ川のリバークルーズに乗り、アルルやアヴィニョン、リヨンなどを巡るコースを紹介。「年間でコンスタントに送客が見込める」というマルセイユなどへのクルーズでの訪問にも期待を示した。

 日本人のターゲット層については、「プロヴァンス地方は広く、多様な魅力を持っているため、1つのターゲットに絞らずさまざまな層を取り込んでいく」考えを表明。例として富裕層、個人旅行、インセンティブなどのビジネス旅行を挙げた。特にインセンティブツアーについては増加傾向にあるといい、引き続き注力していく。

 同地方の日本人宿泊数は年間18万泊で、パリに次ぐ第2位。ジョソー氏は「プロヴァンス地方は高い、というイメージがあるが、手ごろなホテルもあり、少ない予算で大きな楽しみを得られる」と語り、旅行会社と協力し、さらなる送客をめざしたい考えを示した。

  なお、セミナーではプロヴァンス地方の最新情報も提供。15年5月にエクス・アン・プロヴァンスに開業した、18世紀のコーモン邸を改装した「コーモン・アートセンター」などを紹介した。16年春にはアヴィニョンにワインスクールやレストラン、ショップなどを含む総合施設「カレ・デュ・パレ」が、18年にはアルルに建築家のフランク・ゲリーに関する施設「リュマ財団アートセンター」も開業する予定だ。