地域に眠る素材で国内観光の再活性化を-ツーリズムEXPO

  • 2015年12月15日

地域ごとの連携で国内観光を促進
企画力で魅力を引き出し、コンテンツを発信

国内観光シンポジウムの様子  今年9月末に開催された「ツーリズムEXPOジャパン2015」では、「地方創生とツーリズム産業」をテーマに国内観光シンポジウムがおこなわれた。訪日旅行に対する注目や期待がますます高まるなか、今後も国内旅行を伸ばし続けるためには、外国人観光客に加えて日本人旅行者の増加が課題として挙がっている。こうした現状を踏まえ、登壇した各方面の有識者たちは国内観光のあり方や課題、地方創生に向けた取り組みなどについて議論。国内観光の活性化を成功させるための体制づくりに関しても意見交換をおこなった。


登壇者
福武財団理事長、ベネッセホールディングス最高顧問 福武總一郎氏
東日本旅客鉄道取締役会長 清野智氏
三重県知事 鈴木英敬氏

モデレーター
東洋大学国際地域学部国際観光学科准教授 矢ヶ崎紀子氏


国内観光市場の9割を占める日本人
求められる地方からの再活性化

東洋大学准教授の矢ヶ崎紀子氏  シンポジウムではまず、モデレーターを務めた東洋大学国際地域学部国際観光学科准教授の矢ヶ崎紀子氏が、日本国内の観光需要の現状について説明した。同氏によれば、2013年の訪日外国人を含む日本国内の旅行消費額は世界第3位の規模の23兆6000億円で、このうち宿泊や日帰り旅行で日本人が占める額は20兆6000億円。訪日旅行の増加に注目が集まるなか、13年の時点においても旅行消費額の9割近くは日本人による消費が占めているとし、日本人による国内旅行市場の大きさを強調した。なお、観光庁によると、14年8月1日の集計で、国内宿泊と日帰り旅行を合わせた13年の訪日外国人の国内観光入込客数は1932万5000人回で、日本人の国内観光入込客数は16億105万7000人回だった。入込客数の単位は観光入込客の1回の来訪を1人回として集計している。

 矢ヶ崎氏は近年の日本人の宿泊旅行実施率が低下してきている点を指摘。日本観光振興協会(日観振)が今年11月2日に発表した3ヶ月ごとの「短期観光動向調査」によると、15年の7月から9月までの期間における宿泊旅行実施率は2.4ポイント減で、14年同期から5期連続で減少している。同氏はこれらのことを踏まえた上で、「日本人の国内旅行の再活性化をはかるために、各地域で今一度考えていかねばならないのでは」と問題提起をした。