JATA、東北復興で「JATAの道」第2回活動、福島県で

  • 2015年11月2日

 日本旅行業協会(JATA)は10月23日と24日の2日間、福島県の新地町と相馬市で東北復興支援プロジェクト「JATAの道」の2回目の活動を実施した。同プロジェクトは、環境省が設定する東北地方の太平洋沿岸地域トレイルコース「みちのく潮風トレイル」の整備に参加・協力し、東北の自然景観の復興と生活文化の再生と向上に取り組むことで「新しい東北観光」の実現をめざすもの。同トレイルは全長700キロメートルで、2015年10月現在、370キロメートルが開通している。

 今回の活動では、震災からの復興の現状を視察するとともに、トレイルの新地町区間と相馬市区間の一部を散策した。首都圏と東北地区のJATA会員会社、JATAの事務局、NPO法人の日本エコツーリズム協会などから54名が参加し、団長はJATA副会長で国内旅行推進委員会委員長の戸川和良氏が務めた。

 1日目は国土交通省東北地方整備局の協力のもと、常磐自動車道と東北縦貫自動車道を結ぶ約45キロメートルの復興支援道路「相馬福島道路」のうち、相馬西道路の建設現場を視察した。また、塩手山トンネルの掘削現場内も見学。JATAによると、産業観光や教育旅行の素材として活用できる可能性があるという。なお、道路は2016年度から18年度にかけて順次開通する予定。

 さらに、トレイルの一部である、標高430メートルの鹿狼山の登山口から山頂までの1.6キロメートルのコースを歩いたほか、両市町の観光関係者などと意見交換会を実施した。JATAによれば、地元関係者からは「全国から相馬市、新地町にきていただければ復興は一層進む」と、観光振興による復興促進に期待する声が挙がったという。

 2日目は相馬市の「千客万来館」で、JATAが寄贈した同トレイルの案内板の除幕式を開催した。式には相馬市長の立谷秀清氏が出席し、戸川氏に感謝状を贈呈した。その後、相馬中村神社・中村城跡、伝承鎮魂祈念館、歴史資料収蔵館・郷土蔵などを見学。和田観光苺園から、トレイルの相馬市区間のスタート・ゴール地点の松川浦環境公園まで1.4キロメートルを歩いた。

 同プロジェクトは震災発生から10年後の2021年3月まで、同トレイルの全地区で実施。7年で1000名の参加を目標に、今後も活動を続けていくという。来年は岩手県での実施を予定している。