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KTO新社長、MERS後の訪問者増に意欲、旅行会社と連携強化

  • 2015年9月3日

KTO社長の鄭昌洙氏  韓国観光公社(KTO)は9月1日、都内で「2015日韓友好観光交流の夕べ」を開催し、今年8月に同社の社長に就任した鄭昌洙氏は、中東呼吸器症候群(MERS)の影響で減少した訪韓日本人旅行者数を「昨年の228万人と同水準にまで回復させたい」と意欲を示した。同イベントは、昨年12月と今年2月の日本からの大規模訪韓に応える返礼の場として開催したもの。日本側は約150名、韓国側は約130名の旅行業界関係者が出席した。

 本誌の取材に応えた鄭氏は、MERSの影響について「周囲からは『WHOの終息宣言が出るまでは、日本からの団体旅行の取り込みは難しい』と聞くが、訪韓客の多数を占めるFITに関しては、少しずつだが回復傾向にある」と説明。9月末には終息宣言が出されるとの見通しを示した上で、宣言後には速やかに需要を回復できるよう、日本の旅行会社などと連携して「多様な商品を造成したい」との考えを示した。

韓国文化体育観光部次官の金錘氏  韓国文化体育観光部次官の金鐘氏は、韓国政府が7月24日にMERSの事実上の終息を宣言したことについて説明し「9月からは昨年の水準に回復する」と予測。日本の関係者に向けては「韓国の観光の魅力と人情を体験してほしい」と改めてアピールするとともに、今年12月にソウルで開催する予定の「日韓観光拡大シンポジウム」への参加を呼びかけた。

 来賓を代表して挨拶した観光庁長官の久保成人氏は、今年4月に韓国旅行業協会(KATA)が組織した約380名の訪問団が、東北を訪れたことに感謝の意を表した。また、7月に世界文化遺産に登録された百済歴史遺跡地区について言及し、訪韓客の回復に向けて、主要な観光地以外の地域の魅力を積極的に発信することが重要とした。

ノンバーバルパフォーマーによる演目  この日は韓国から来日した、言葉を使わずにダンスや音楽などを披露するノンバーバルパフォーマンスの3グループが登場し、会場を盛り上げた。KTOによれば、14年に韓国を訪れた外国人観光客1400万人のうち、190万人以上がノンバーバルパフォーマンスを観覧。観覧者数は増加を続けているという。